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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

節分

2018年02月03日 | 日記


今日は節分。三日続きの好天で、北西の青空のなかに雪の葉山が浮かんで見える。節分に何故豆を撒くようになったのか。調べてみると、鞍馬山から鬼が出てきて騒ぎ、京の街中に悪さをした。そこで、大豆を炒って鬼の目にぶつけて、災厄を逃れたいう故事が始まりらしい。豆には生命力と魔よけの呪力が」備わっていると信じられていた。語呂合わせで、「魔目」を鬼の目にぶつけて摩滅するなどいう、落語のような話もある。

藁の香の闇がふくらむ鬼やらひ 吉田 敏夫

漢字の鬼は、「ノ」と「田」と「儿」からできている。ノは角を意味し、田は人の顔をあらわし、儿は人の歩く姿だと言われる。そうして見れば、鬼は顔の上に角がある外は、総じて人間的である。今昔物語や民話に鬼はしばしば登場するが、必ずしも強くて悪事を働くものばかりではない。虐められて泣きだす鬼もいる。しかし、豆で追い払う鬼は、もっと強力でなかればならない。鬼の研究をするもの好きな人もいる。ものの本には、鬼の悪事を三つに分類している。

1人をせんとするもの
昔から人々が恐れたのは、この種の鬼で説話にも頻繁に登場する。光孝天皇の御代にある女が三人、武徳殿の外の松原を通った。木の間に一人の男がいて、女の一人を誘って松原に入った。あまり戻りが遅いので怪しんで行ってみると、手足がバラバラに散らばっているばかりで何もない。これは鬼が男に化けて、女を喰い殺した話である。

2物品の盗まんとするもの
この鬼も卑劣な鬼で大切な物品を盗む悪戯をする。御所で秘蔵されたいた「玄象」という琵琶が紛失した。御所で秘法を27日間修したところ、朱雀門の上から琵琶の首に縄をかけて降ろした。これは鬼が盗んだものと京の街では噂になった

3人に病気を与えんとするもの
冷泉院の御宇、咳病が流行した。街を赤い衣を着た怖ろし気な男が通った。男が「俺を知っているか」と聞いたので、「知らない」と答えると、「われは、昔この国に住んでいた大納言伴善雄である。伊豆に配流されて若くして死んだ。今こうして疫病流行神となっている。流行している咳病もわれの所為だと言った。

やはり昔から伝わるこんな怖い鬼では、豆を打って退散してもらうほかはない。
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