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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1112「惨劇の予感」

2021-08-16 17:42:41 | ブログ短編

 大学生(だいがくせい)たちがキャンプにやって来た。今は季節(きせつ)はずれなので、キャンプ場を利用(りよう)しているのは彼らだけだ。彼らは、ほぼ初対面(しょたいめん)。でも、彼らには共通(きょうつう)の友(とも)だちがいた。その友だちに誘(さそ)われて集(あつ)まったのだ。自己紹介(じこしょうかい)をすませると、彼らはキャンプの準備(じゅんび)を始めた。
 簡単(かんたん)な昼食(ちゅうしょく)の後、誰(だれ)かが言った。「あいつはいつ来るんだ。誰か聞いてるか?」
 あいつとは共通の友だちのことだ。だが、誰もその友だちがいつ来るのか知らなかった。
 誰かが言った。「あれ、あの娘(こ)は? ほら、赤いワンピースの…」
 キャンプに来るのには不釣(ふつ)り合いな服装(ふくそう)なので、誰もが印象(いんしょう)に残(のこ)っていた。
「あの娘(こ)なら、あっちの林(はやし)の方へ行くの見たわよ」
「大丈夫(だいじょうぶ)かな? 一人で…。もしかして、迷(まよ)ってるんじゃないのか?」
 そこで、みんなで捜(さが)しに行くことにした。林の中に入って、彼女の名前(なまえ)を呼(よ)びながら歩いて行くと、木の陰(かげ)に赤いものが見えた。「おい! いたぞ!」
 彼らは赤いものを目指(めざ)して駆(か)け寄った。だが、そこには彼女のワンピースがあるだけだ。しかも、その服はずたずた切り裂(さ)かれていた。そこにいた女性たちが悲鳴(ひめい)をあげた。
 彼らはテントの場所(ばしょ)まで戻(もど)って来た。そこで彼らは唖然(あぜん)とした。テントの中が荒(あ)らされていて、食料(しょくりょう)や寝袋(ねぶくろ)がなくなっているのだ。もうすぐ陽(ひ)が暮(く)れようとしていた。
<つぶやき>彼らはもうこの罠(わな)から逃(のが)れられない。犯人(はんにん)の目的(もくてき)は復讐(ふくしゅう)なのか、それとも…。
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