海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「国家は、どのようにして家庭を貧困へ追いやるか」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年05月21日 | 貧困問題と食糧問題
ゴールデン☆ベスト
小椋佳
ユニバーサルJ

このアイテムの詳細を見る

オラフ・ショルツ労働相は、彼の閣僚たちに冷い目で見られた。他の部局と相談しないで彼は『ビルト紙日曜版』でドイツにおける貧困の増大について語った。一日後に、彼は、
第三回の貧困報告の中からそれ以上の論議を呼ぶ詳細を告知した。確かに内閣報道官代理のトマス・シュテークは、この分析が六月末に内閣で審議されるる予定であり、まだ全く結論に達したわけではないということを指摘した。というわけは、まず、各大臣の間での同意が必要である。だが、ショルツは、すでに数字の解釈を述べた。重点は、「所得の不平等な配分」にある。それゆえ、ドイツには最低賃金制が必要だ。だが、この点については、連合政権内では、まだ何の同意も得られていない。
この報告によると、ドイツ人の13%は、貧困の限度以下の生活をしている。特に子供を抱えている長期の失業者、無資格者、十分な教育を受けなかった者はしばしばお金を無駄遣いできない。貧困の限界は、統計によれば、中程度の所得の60%に達している。したがって、独身者は、一ヶ月に781ユーロ(12万4千円)以下の所得しかない場合は、貧困だと見なされる。もっとも、この報告は、2005年度に関係しており、この年には、連邦共和国では、失業率が初めて5百万人を超えた。
この報告によると、国民の次の13%は、貧困の限界に近く児童手当のような社会保障によってのみ貧困層へ転落しないですんでいる。ショルツにとっては、この点で、福祉国家の有効性が現れている。「われわれは貧困と闘争するための手段、つまり福祉国家を持っているのだ」とショルツは強調した。
専門家の多くは、事態に対して別の見方をしている。というのも、低賃金所得層とその家族は、社会保障によって非常に負担が大きくなっている。家庭裁判所の判事ユルゲン・ボルヒャルトは、4名から構成される家族を養わなければならない平均的就業者は、税務上の最低限の生活に一致する所得さえ得ていない。年間所得が3万ユーロ(480万円)である場合には、家族には自動手当を含んでも2万4千ユーロしか残らない。
この事態に責任があるのは、社会保険制度であって、それは低所得者とその家族にたいして何の配慮もしていない。「われわれが社会の中心を生活保護者におとしめるということは、顛倒している」とボルヒャルトは言う。OECDは、去年の秋に、ドイツにおける税と支出負担とは、中間所得層において、最大となっていると批判した。その場合、所得税は、社会保険料よりも遙かに少なく評価されている。後者は、1970年代以降、27%から40%間で引き上げられた。(以下省略)
[訳者の感想]所得税よりも社会保険料や健康保険料の支出が高額になっているのは日本も同じではないかと思います。もっと所得税を累進課税にして社会保険料や健康保険料を下げるべきだと思いますが。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「医師たちは治療費を配分し... | トップ | 「ジャーナリストたちはテレ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

貧困問題と食糧問題」カテゴリの最新記事