海外のニュースより

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「ライス国務長官の言葉に、ラムズフェルド国防長官が反論」

2006年04月06日 | イラク問題
 ライス国務長官が先週、米国は何千という「戦術上の誤り」を犯したと言ったとき、彼女が何についてそう語ったのか自分には分からないとラムズフェルド国防長官は述べた。
ノース・ダコタ州のファーゴにあるWDAY局で火曜日に行われたラジオ・インタービューで、ラムズフェルドは、戦争中の軍事的戦術の変更を「間違い」と呼ぶのは、戦争の理解が足りないのを反映していると言った。ラムズフェルドは、彼のイラクに対する戦争計画を弁護したが、このような計画は敵との最初の接触以後に変更されるのは不可避であると付け加えた。
 「何故だって?敵にも頭があるからさ。敵はわれわれのやることをじっと見ていて、それに合わせてくる。そこでわれわれは常にわれわれの戦術、技術ややり方を適合させ変えなければならないのだ。」ラムズフェルドは、インタービューの相手であるスコット・ヘンネンに次のように言った。「誰かがそれは戦術的誤りだと言うなら、それは理解が足りない、少なくとも戦争が何であるかについての私の理解を持っていないのだ。」
 ライス長官のコメントに対するラムズフェルドの疑問は、イラクや他の問題を巡る国務省と国防省との間の長期にわたる対立関係の中で生じた。ラムズフェルドと国防省は、議会の議員から批判され、退役した将軍達からも武装勢力を予期しなかったというイラクでの誤算を批判された。
 英国への旅行の途中で、先週金曜日、ライス国務長官は、「われわれが何千もの戦術的誤りをしたことを私は認める。だが、戦略的決定は、歴史家が判断するものだ」と言った。
 翌日、このコメントについて質問されると、ライスは、「私は座って米国の戦術的誤りを数えたわけではない。コメントは比喩的に言っただけだ」と述べた。「私の述べた要点は、もしわれわれが決断したとすれば、われわれがした決断においてわれわれは疑いもなく間違いを犯したのだ。だが、重要なことは、大きな戦略的決断を正しくすることであり、サダム・フセインを倒し、イラク国民に平和と民主主義の機会を与えるという決断は正しい決断であったと私は確信している。」
 ラジオ・インタービューで、ヘンネンは、ライスが「われわれは数千の戦術的誤りを犯したと比喩的に述べ、重要なテストは、正しい戦略的決断をすることであり、それは歴史のテストだと示唆したと述べた。ヘンネンは、「あなたはライス長官の意見に同意するか?われわれは何千もの戦術的誤りを犯したのか?そしてこれはあなたのことを言っているのか?」とラムズフェルドに尋ねた。
 「正直に言って、彼女が何のことを言っているのか私には分からない」と彼は答えた。
ラムズフェルドは、過去三年間に合衆国が戦術を変えなければならなかった理由が、初めから予見できないイラク戦争の本性にあることを指摘した。
 「われわれが静的な状況にあって、その静的な状況にどう応えるかの点で間違い犯すならそれは間違いだろう。だが、われわれが直面しているのは静的状況ではなくて、ものを考え、頭を使い、常に適応している敵を相手にした動的状況なのだ。だから、われわれの司令官は常に戦術的適応をしなければならないのだ。」
[訳者の感想]バグダッドを占領したときに暴徒の略奪を全く制止せず、「自由を得た人間が行きすぎをやるのは大目に見るべきだ」などと言っていたラムズフェルドは、その間に旧イラク軍の武器が大量に持ち出され、それが反乱軍の手に入ることも予測できなった点で最大の失敗をしたと私は思っています。武力を使ってフセイン大統領を倒してもその後で、イラクが民主国家になる可能性についても国務省も誤算していたと思います。現在のアメリカは、イラクが民主国家になるかどうかにも余り関心はなさそうです。メンツを保ってイラクから撤兵する方法を考えているのだと思います。
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