海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イラク人は、新たなテロに平然と反応している」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』の記事。

2009年08月16日 | イラク問題
8月13日発:新たなテロの波がイラクを見舞っている。先週金曜日以来だけで、少なくとも122人のイラク人が殺された。テロの犠牲者数は、再び増加している。彼らの多くはシーア派のイラク人である。五月には、テロの犠牲者数は、155人で、2003年以来最も少なかった。
確かに、最近のテロ攻撃は、内戦中と同じくらいよく準備されている。けれども、あの流血の内戦時代の恐怖は戻らない。アルカイダと距離をおいているスンニー派の反政府派も、テロを非難し、シーア派の聖職者は、信者に対して復讐を諦めるように要求している。それゆえ、バグダッドや他の都市では、晩に、以前よりも、もっと多くのイラク人が公園やティグリス河の岸で散策している。最近のテロにはアルカイダの指紋がついていると内務省の報道官は言う。彼らは良くコーディネートされている。暗殺者は、イラクでは手に入らない爆薬を仕掛けている。テロ攻撃の数は月に200回以上に上ったが、殺される人の数は内戦中ほどは増えていない。
そこから、イラクとアメリカの専門家は、暗殺者達が弱体化し、内戦中ほど致命的な攻撃を繰り返すことができないと結論している。その代わり、彼らは特定の機会から暗殺を企てる。一つのきっかけは、6月30日の諸都市からの米軍の撤退であった。もう一つのきっかけは、来年、1月に行われる議会選挙である。そこでテロリストの攻撃目標は、少数民族かキリスト教徒かモスクであって、イラクやアメリカの治安部隊ではない。
先週、月曜日の死者60人のテロは、もっとも流血が多かった。朝、モスルに近いハズナで、トラックに乗った二人が、シャバク族の家族が住んでいる小さな町を破壊した。これはクルド人やシーア派に近いが、独自の宗教を実践している人たちである。シャバク族の族長は、死者を43人、負傷者を150人だと述べた。この宗教共同体は、繰り返し、アルカイダの攻撃目標となった。同様に、月曜日には、バグダッドで9つの爆弾が20人以上を殺した。一つはセメント袋に隠されており、シーア派の日雇い労働者を標的にしていた。(以下略)
[訳者の感想]最近のテロの目的が米軍やイラク政府軍ではなく、宗教上の少数派だというのが、驚きです。
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