海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「アメリカはどのようにしてテロリスト達を押さえ込んだか」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2008年09月07日 | イラク問題
ベルリン発:バグダッドやイラクの他の多くの場所に向かって、彼らは毎晩出撃する。米軍の特殊部隊と情報機関の職員は数ヶ月前からイラクで最も探し求められているテロリスト達を追跡している。彼らは、その異常に効果的な戦術によって高度に効果的である。数百人の過激派やその支持者達が過去数ヶ月の間に、特殊部隊の手中に落ちた。少なくとも、情報機関や国防省の代表は、『ワシントン・ポスト』紙に対して、イラクにおける反テロ戦争の新種の作戦のかなりの成功率について語った。
 同紙の報じるところによると、特にこの情報機関と軍人の混成チームは、ペルシャ湾沿岸におけるテロ件数の後退に影響を与えた。国防省によると、米国は、特にイラクにおけるテロネットワーク「アルカイダ」に対して圧力を加えた。アルカイダは、去る6月以来バグダッドだけで10人の高位のテロ指揮者を失ったと『ワシントン・ポスト』紙は報じている。最も成功した仕事の例として、同紙は、「トラ」と呼ばれたアブ・ウツマンの逮捕を挙げている。米軍の見解では、このテロリストは、アメリカ人ジャーナリストのジル・キャロルの誘拐や一連の米軍兵士とイラク人市民に対する流血の攻撃の背後に隠れていた。8月11日、米軍の特殊コマンドは、ある示唆にしたがって、バグダッドのある家で「トラ」を逮捕した。既に前もって、ウツマンの追求の手は身辺にまで迫っていたので、彼は適当な隠れ家を探すのに忙しく、新たなテロ攻撃を計画するどころではなかった。
『ワシントン・ポスト』紙のこの報告は、花形記者ボブ・ウッドワードの暴露記事を裏書きしている。彼の新著『内部の戦争:ホワイト・ハウスの秘密の歴史、2006-2008』の中で、ウッドワードは、イラクにおける暴力行為の減少にとって、ブッシュが主導した「大波」と名付けられた作戦は、それほど大きな役割を果たしていないと述べている。その作戦では、2007年1年間に、約3万名の兵士が増派されたのだが。
 ウッドワードの主張によると、米軍投入の画期的な新形式が、決定的にこの成功に導いた。それでもって、アルカイダや他の反政府グループの指導者を見つけて殺すことが可能になった。
 『ワシントン・ポスト』紙は、イラク市民からの通報が特殊部隊の成功にとって好都合であったという「国防省報告」を引用している。多くのイラク人達は、かなり前から、反政府勢力に対する同感を失い、彼らの隠れ場所を密告した。この示唆は、直ちに特殊部隊司令部に伝達され、司令部は隠れ家に照準を合わせた。特殊部隊のチームは、しばしば、一晩にいくつもの目標に向かって出動した。特に、ある作戦が別の隠れ家の存在を示唆した場合には。
 作戦は、軍人によって指揮された「タスク・フォース」によって調整された。そこでは、CIAや「国家安全保障委員会」(NSA)の情報員や、FBIの犯罪専門家、政治的アナリスト達が協力している。さまざまの治安官庁が過去数十年間、競争関係にあった後で、「タスク・フォース」は、直接的協力がどれほど有効であるかを明らかにした。
 「タスク・フォース」の司令部の所在地は、バグダッド北部のバラド空軍基地内の古い格納庫であり、そこには、以前にはフセイン・イラク元大統領の戦闘機が格納されていた。ここから、特殊部隊は、イラク北部、西部、南部やバグダッドへと出撃するのである。
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