海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ますます多くのイラク人が宗派の対立を乗り越えようとしている」と題するL.T.の記事。

2009年11月01日 | イラク問題
うだるように暑いホテルの大広間で、スンニー派部族の指導者であるアーメド・アブ・リシャは、シーア派の内務大臣ジャワド・ボラニの隣に立っていた。ボラニの隣は有名なスンニー派の宗教的指導者で、その隣にはシーア派の人権活動家が立っていた。
スンニー派とシーア派ムスリムが新しい政治的運動「イラク統一同盟」の誕生を宣言するために並んでいた。それは来年1月に予定された国会議員選挙に統一のプラットホームとして動くだろう。
周期的に聴衆の間の部族長が立ち上がり、同盟のテーマを支持して、。「イラク万歳」とスローガンを叫び、群衆からは「神よ、イラクを護り給え!」というつぶやきが漏れた。
選挙の季節が近づくにつれて、ナショナリズムの新しい感覚が、イラクを数年前に紛争に突き落とした荒っぽい宗派主義に挑戦しようと台頭している。シーア派のヌリ・マリキ首相は、自分自身を世俗主義者に切り替え、彼の「法治国家連合」と立ち上げた。それはスンニー派にも手を伸ばしている。
シーア派世俗主義者のアヤド・アラウイ元首相とスンニー派の指導者サレー・ムトラクは、別の連合を立ち上げた。
「われわれはスンニー派とシーア派の同盟について語るのにうんざりしている」と「統一同盟」に参加した優れたシーア派解説者ドヒア・シャカルチは言う。「われわれはイラク人だ。われわれはわれわれの國の利害についてのみ関心を持っている。」
スンニー派とシーア派アラブ人の間の統一の感覚はまだ脆弱だ。それは北部にまでは及ばないかもしれない。そこでは、クルド人とアラブ人とトルクメン人とが権力のために張り合っている。
スンニー派の過激派である「イラクにおけるアルカイダ」でさえ、新しいムードを承認したように見える。それはシーア派が集まるモスクや市場に爆弾攻撃をする戦術を変更しつつある。その代わりに、それは、一週間前の司法省とバグダッドの州政府前で行われた爆弾攻撃のように、イラク国家を目標にしている。
米国の官憲は、「イラクにおけるアルカイダ」の出店である「イスラム的イラク国家」があの攻撃の責任を主張したが、彼らは新しい宗派的戦争を挑発することを諦めたと思っている。
(後略)
[コメント]『ロサンジェルス・タイムズ』の記事です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「見ろ、あれはビン・ラディ... | トップ | 「スターリンはこの人間的な... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

イラク問題」カテゴリの最新記事