海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「参院選大敗北にもかかわらず、政権は継続」と題する『シュピーゲル』紙の記事。

2007年07月30日 | 日本の政治と経済
東京発:「私は、新しい国を作るために、改革を約束しました。この約束を守ることが私の責任です」安部総理は述べた。
 人々は改革政策に理解を示したと彼は言い張った。「しかし、批判は謙虚に受け止めなければなりません。」
 参議院での半数改選において、政権与党の自由民主党と連立党の公明党は、多数を失った。共同通信社によれば、安部は、選挙の失敗に対する反応として、まもなく内閣改造を行うつもりである。可能な場合、人員交代は、八月末に告知される。
 安部は、確かに、衆議院では、3分の2の多数を持っているが、専門家は、彼の政治的終わりは決定済みだと見なしている。野党に支配された参議院は、連立政権を困難にするだろう。なぜなら、参議院は、法案を阻止することができるからである。すると、日本は政治的な静止状態に陥るだろう。
 「だが、彼は終わりだ」と日本専門家のジェラルド・カーティス・コロンビア大学教授は言う。「もし彼が頭が良ければ、今晩のうちに辞任するだろう。」彼が長く政権を維持すればするほど、日本は政治的混乱に陥るだろうとカーティス教授は言う。過去においては、しばしば、総理大臣は、選挙の敗北のために、辞任した。しかし、自民党は、カリスマ的な小泉首相の辞任以来、成功しそうな候補者を出すことができない。
 参議院の242議席のうち、半数に当たる121議席が新たに決まった。深夜、12時に、自民党は40議席のうち、12議席は未決定であった。参議院での多数を維持するには、連立政権は、64議席を確保する必要があった。自民党の中川幹事長は、「私が経験した最もひどい選挙結果だ」と述べた。
 小沢一郎の率いる「日本民主党」は、これまでの30議席を60議席にのばした。小沢党首は、菅直人代表によると、一日、二日、休養しなければならないとのことである。小沢は、老練な戦略家だと思われているが、すでに長い間、健康問題と戦わなければならない。
 民主党代表の鳩山由紀夫は、昨晩、選挙は、「日本国民の不満がどれほど大きいかを示した」と述べた。
 安部政権は、2006年九月の組閣以来、一連のスキャンダルに揺すぶられた。何人かの閣僚が辞任し、農水相は、汚職により自殺した。しかし、最大の不祥事は、5000万件の年金払い込みの証拠が失われた、社会保険庁で起こった。


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