海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「空虚の中の落下」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年02月26日 | 災害と事故
アムステルダム発:喜びから絶望に変わるのに一時間かからなかった。水曜日午前、アムステルダムのスキポール空港に着陸する際に墜落したトルコ航空のボーイング737型機について、トルコ交通省は最初、全員が生存していると言明した。このニュースが空港内に流れると、恐怖のすぐ後に、喜びの涙が流れた。「ハドソン川の奇跡」の6週間後に、「オランダの奇跡」が起こったように思われた。だが、希望はまもなくひどく裏切られることになった。
テレビのモニターには、事故機から袋につつまれた遺体を運び出す救助人が映し出された。
13時30分には、「少なくとも9人がこの事故で命を落とした」とミヒェル・ベズイエン・アムステルダム市長が伝えた。134名の乗客と乗員のうち、50名が負傷した。そのうちの半数は重傷である。9名の犠牲者のなかには、機長と副操縦士と訓練中の操縦士が含まれている。喜びは悲しみに変わった。
トルコ航空とトルコ交通省の早すぎる「救助報道」の理由については、墜落の原因についてと同じぐらいいろいろな憶測がなされている。
トルコのメディアによると、燃料不足が墜落の原因だという。他の報道では、同機は、着陸の際に、片方あるいは両方のエンジンを失ったと言われている。更に他の報道では、着陸の際、訓練中のパイロットが操縦していた。彼は操縦を誤って、畑につっこんだ。
トルコ航空のなかで、最も経験を積んだ機長は、誤操作を元へ戻そうとしたが、時間が十分でなかった。
ハドソン川のエアバスと同様に、鳥がエンジンに吸い込まれたと報道するメディアもある。ボーイング機の燃料が切れたから炎上しなかったのだとする報道もある。
乗客によると、同機は着陸の際、ひどく落ち込んだと言われる。「最初は全く通常の着陸だったが、突然、エアポケットに落ち込んだようだった」と銀行員のツンケル・ムトルーハンはトルコのNTVテレビに語った。「同機は操縦不能になって、墜落した。」
すべては、数秒間の出来事だった。まもなく着陸するというアナウンスがあった後で、乱気流に巻き込まれたように、突然落下し、それから尾翼が地面に接触し、高速道路を横切って、畑で停止した。燃料タンクが格納されている主翼は、全く損傷しなかったことが、機体が炎上しなかった理由であるようだ。(以下省略)
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