海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「人を殺すのは、アリをひねりつぶすようなものだ」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2006年07月31日 | イラク問題
ワシントン発:イラクの民間人に対する強姦と殺人の罪で告訴された元陸軍兵士スティーブン・グリーンは、『ワシントン・ポスト』紙の戦争報道記者との対話で、イラクにおける殺人の無関心さを描写した。「人を殺すのは、アリをひねりつぶすようなものだ」と21才の男は言った。このインタービューは、殺人の約1ヶ月前に行われた。「君は誰かを殺す。その後で『さあ、ピザをもってこい』と言うのだ」とグリーンは言った。「僕は監視所で立ち止まらなかった奴を撃った。何も起こらなかったのと同じさ。」
その際、彼はいつもこのような経験は人生を変えると以前には思っていた。「僕は人を殺した。それは『それで今度は』といったようなものだった。」元軍人は、その際肩をすくめた、と『ワシントン・ポスト』紙は書いている。
 グリーンのせいにされたこの事件は、去る三月、バグダッドの南方30キロにあるマームディアの近くで起こった。起訴状によると、グリーンと三人の仲間は、一軒の家に押し入り、家族の4人を殺した。被告は、先ず父親、母親、5才の娘を殺した。その後で、彼ともう一人のGIは、殺された家族の15才の少女を強姦した後、2,3発撃って殺した。アルコールの入った犯人は、そのイラク人の少女の遺体を焼却しようとした。グリーンは後に「人格障害」のかどで陸軍から除隊させられた。
[訳者の感想]ベトナム戦争当時も「ソンミ村」事件のような虐殺行為がありましたが、イラクでもこのような事件はしばしば起きているようです。もともと素質があったのか、戦争の狂気がこのような人間を生み出すのか分かりませんが、人間らしさは失われやすいようです。
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