天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

『カエサル』著者は映画『クレオパトラ』女王らしくない美貌テイラーとハリソンの関係は情熱的より政治的と

2013-02-21 22:12:41 | 日記
今日の日記は、今読んでいるエイドリアン・ゴールズワーシー著『カエサル(下)』(宮坂渉訳・2012年9月白水社刊)の終章に書かれているアメリカ・ハリウッド映画『クレオパトラ』(1963年製作)の著者自身の映画批評のことです。
私は、この著書を詳細に史実を解説した古代ローマ帝国の歴史書と思っていましたが、下巻の最後の終章で、思い懸けないカエサルに関する映画や文学での著者の評論を読んで、今とても驚いています。以下に、私が共感したその記述を引用・掲載します。
『映画において数多くのカエサル像が描かれており、そのなかでおそらく最も印象的なのは「クレオパトラ」(1963年)におけるレックス・ハリソンの演技だろう。彼のカエサルは、もっと行動的な人物であり、寡黙な、しかし実績のある指導者が持つ確固たる権威を備えている。また、彼は頭の回転が速く、演者の場慣れした正確な話し方から、力強い弁論家の気配を強く感じさせる。クレオパトラ-エリザベス・テイラーは非常に美しい。たとえ、我々の知る限り、それほどあるいはまったく実際の女王らしくないとしても-との関係は、おそらく情熱的というよりもむしろ政治的である。・・彼の性格のいくつかの側面、たとえば、その公的な場面と私的な場面における感情、その信念、そして、特に最後の数年間における野心については、依然として謎に包まれたままである。ただひとつ確実なのは、これがガイウス・ユリウス・カエサルについて書かれた最後の文章になる可能性はまずないだろうということである。』
著者のエイドリアン・ゴールズワーシー氏は、1969年イギリスで生まれた43歳の歴史家です。だから、彼は1963年に製作されたこのハリウッド映画『クレオパトラ』をリアルタイムで劇場で観た記憶は全くないでしょう。でも、その映画批評(DVDビデオで後日鑑賞したのか?)は、年齢のわりにはとても適切なものです。
そして、私の日記を閲覧している方でも、この映画を御覧になっていない方もいると思います。だから、映画でのカエサル役のレックス・ハリソン(左側)とクレオパトラ役のエリザベス・テイラー(右側)の映画での1シーンを、ここに添付掲載しました。
このようなリラックスした私的な場での二人でも、テイラーの濃いメイクアップとハリソンの少し醒めた表情を見ていると、著者の指摘した通り、二人の政治的な関係をより強く推察されてきます。
それにしても、この『カエサル』の筆者が指摘しているように、実際の女王らしくはないですが、扮したエリザベス・テイラーはとても美しいです。女王の公的な態度をより強調したい映画での演出でしょうが、こんな濃いメイクアップは、素地がとても綺麗なエリザベス・テイラーには全く不要なことでした。
何度鑑賞しても、私は映画でとても残念な思いをしています。
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