インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

8月8日 …カスタネダ 『時の輪』

2007-08-08 04:07:43 | カスタネダ『呪術の実践』 !
『時の輪』
~古代メキシコのシャーマンたちの生と死の宇宙への思索~
著者 カルロス・カスタネダ
訳者 北山耕平
大田出版 ¥1550+税

ちなみに、北山耕平氏は、Native Heartというブログ活動をされている(また、トラックバックを出そう!)。

この本は、やはりカスタネダの『ドン・ファンかく語りき』の趣向になっている。

「はじめに」で、
「ドン・ファンの主張によれば、太古のメキシコシャーマンたちは、実際に常人とは異なる知の体系を持っていたことになるのである…」とある。

カスタネダの『呪術の実践』と内容は重複する↓
4月25日呪術の実践①
5月2日呪術の実践②
5月9日第1章マジカルパス①
5月23日第1章マジカルパス②
5月30日第2章テンセグリー①
6月6日第2章テンセグリー②
6月14日第3章テンセグリー③

「…だが古代メキシコのシャーマンたちにとっては、時間はどこか思考に似ていた。その思考は、はっきりとわからないぐらい大きなあるものが考えているところの思考なのだ。

 …空間は、そのようなシャーマンたちにとって、活動の抽象的な領域であった。彼らはそれを「無限」「infinity」と呼び、それは生命を持つすべての被造物たちの努力の総和なのだと表現した。

 …そうしたシャーマンたちは、彼らが「時の輪(wheel of time)」と呼ぶ、もうひとつの認識の単位を持っていた。「時」は無限の長さと幅を持つ、いうならばトンネルのようなもので、そのトンネルには反射溝が幾本も刻まれているということだった。どの溝も果てしなく続いていて、その数も限りなく存在する。そして生き物というのは、生命の力によって、その無数にある溝の一本をのぞきこむために、強制的に創り出されたものなのだ。その溝の一本だけをのぞきこむことは、その溝の【ワナ】にとらえられることを意味し、その溝を生きることになるのである。

 戦士の最終的な目的は、徹底した修練を経た行為を通じて、「時の輪」に対して、決して揺らぐことのない焦点を合わせ、その「時の輪」を回転させることにあった。成功裏に「時の輪」をまわすことができた戦士なら、いかなる溝であれ、じっくりとその中を見つめることで、望むものを引き出すことができる。むすうにある溝の中のただ一本の溝ただ一本の溝のみを凝縮させられる力の呪縛から解き放たれることで、戦士たちは、いかなる方角でも、時が後退したり、反対に自分のほうに向かってきたりするところを、見ることができるようになるのだ…」

p130より。

人間は、物体なのではない。固体でもない。どこにも角のない、光を発する存在で、果てしなくどこまでも広がっている。
「物体」とか「固体」の世界は、単なる言葉の描写に過ぎないもので、人間が地球における過ごし方を便利にするために、人間を助けるためにつくりだしたものなのである。


科学や文明の精神を破壊する一節だ。
人間は人間ではない、言葉など要らない、ということか…。

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