インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

ゴマブックス倒産 ~新刊を増やしても…

2009-09-07 20:24:00 | 映画や小説、テレビなど
 毎夜、死神のように大型倒産速報(帝国データバンク)をチェックしているが、そのデスノートにゴマブックスが載っていた(負債がデカイぞ!)

  ゴマブックス民事再生法の適用を申請(毎日新聞)などから、

ゴマブックス(東京都港区)が7日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債額は約38億2000万円。

 同社は88年に設立、ビジネス書から絵本まで取り扱い分野は広く、『ちびギャラ』シリーズ(累計150万部)、ビジネス書『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?』は30万部を突破。児童書「レインボーマジック」シリーズや累計330万部のケータイ小説「赤い糸」シリーズなどのベストセラーを生み出し、09年1月期には年売上高32億3200万円を計上した。

 しかし、国内景気の悪化やベストセラー不足、返本率の上昇などで業績が悪化。新刊の出版点数を増やしたものの、販売が激減し債務超過に転落していた。


 …とある。自己啓発や成功本を相当出版しているから(160冊!アフォメーションカードまで)、成功要素を抱えているはずなのだが…。

 本を書いたり出版するだけではダメだということですね(絵に書いた餅で終わりました)

  ネット情報やブックオフが氾濫している時代に(しかも世界同時不況)、従来のビジネスモデルが成り立たなくなった、ということか。

 物体としての本の流れは、

   出版社→ 取次→ 書店→ 消費者

  …であり、お金の流れはその逆である。

 本がお金になって戻って来なかったら、バランスが崩れるので、「新刊の出版点数を増やす」わけである(物体を流す)。 

 このことは新刊発行点数がなぜ多いのか(INTEC JAPAN/BLOG)に詳しく載っている。

  …さて、本が売れない場合、本は書店から取次に返品されます。5000冊印刷して、仮に2500冊返品されたとすると、出版社は、既に受け取っている本の代金から2500冊分の代金を取次に返還しなければならなくなるのです。これが、本を取次に納品してから、3~6ヶ月ごとにめぐってくることになります。
 しかし、出版業界は不振であり、一度受け取った代金の半分を取次に返還することが苦しい出版社もあります。そういうとき、どうするかというと、出版社は取次に返品分のお金を渡す前に新しい本Bを製作して取次に納品するのです。そうすると、その代金が出版社に入りますから、その代金でAの返品分のお金を支払うのです。出版業界が不振で、本が売れていないにもかかわらず新刊書の出版点数が急増しているのは、こういう事情がウラにあるからと考えられます…。

  つまり、新刊をどんどん出す出版社はわけである。

  景気が良さそうに見えますが(儲かっているような)

  見かけと実態は全然違うということですね(恐ろしい業界です)