田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

NHKトークイベント「ニュース ここだけの話」

2024-03-13 11:35:00 | 講演・講義・フォーラム等
 昨年7月、札幌の繁華街ススキノのホテルで首のない死体が発見されるというショッキングな事件が発生し、世の中をざわつかせた。その際取材に当たった放送記者が取材の内幕を話してくれるという。期待してイベントに参加したのだが…。
       

 3月8日(金)夕刻、午後7時からNHK札幌放送局の8K公開スタジオにおいてNHK札幌放送局としては3回目となるトークイベント「ニュース ここだけの話」に応募したところ幸いに当選して参加することができた。
 今回のテーマは、昨年7月2日に札幌の繁華街ススキノで発生した殺人事件を、取材した担当記者が語るというものだった。トークイベントは取材を担当した入局2年目の高山もえか記者に、赤松俊理アナウンサーが質問する形で進められた。
 話はまず事件の経過を確認することから始まった。それによると……、

 ◇7月 2日(日)事件発覚 取材開始
 ◇7月 3日(月)朝  報道① ホテルに二人で入室
昼  報道② 頭部のない遺体
 ◇7月 4日(火)午後 報道③ 防犯カメラの人物
     ↓
 ◇7月24日(月)昼  報道④ 逮捕

 事件発生から逮捕までの時系列は上記のとおりだが、事件を伝える報道の側としてはニュースの言葉選びに慎重を期したという。それはニュース報道を通じて視聴者の受け止め方が左右されることがあるため、丁寧に、丁寧にということに努めたという。
 NHKの取材班は独自に犯人の姿が映っていると思われる防犯カメラの映像を入手したそうだ。NHKでは許可を受けたうえで33時間分に及ぶ防犯カメラの映像を解析したそうである。そしてそこに犯人と思われる映像を発見したそうだ。それはもちろん捜査本部と協議し、許可を得たうえで7月4日(火)午後に放送したという。

  
※ NHK取材班が独自に入手した防犯カメラの映像から犯人らしき姿を映し出した映像です。

 高山記者の言葉からNHK札幌放送局の取材班は3名くらいでチームを組んで取材していたようだが、高山記者がもちろん最年少だったようだ。ニュース原稿はまず高山記者が第1稿を書き、それをキャップなどと慎重に検討したうえで放送に回すといった手順を踏んだようだ。(ここは高山記者の言葉から私が類推したものである)
 ともかく留意したことは伝える側の使命として、間違いのない正しい情報を伝えるということを最も意識したという。例え伝えたい気持ちがあっても、放送記者としては確かな情報を伝える使命があると心して臨んだということだった。
 私は当初、あらぬ期待を抱きながらトークイベントに臨んだ。その期待とは、取材過程の中で放送できなかった内幕的な事実などが聴けるのではないか?というような期待を抱いていた。しかし、そうした類の話は露ほども話されなかった。
 よく考えてみれば、それは当たり前のことである。そうした内幕的なこと、噂話的なことを正確な報道を旨とする放送記者が口にするはずはないのである。ましてや公共放送としての使命を託されたNHKが、である。私は最近のスクープ週刊誌がセンセーショナルに書き立てる報道に毒されていたようである。

  
  ※ 当日は写真撮影はNGだったが、NHKのHPに前回の模様を写した写真が掲載されており、雰囲気はまったく同じようだったので使用させてもらいました。

 高山記者は最後に、「自分にとっては、初めて捜査本部が立ち上がった大きな事件立ち合い、伝える側の責任を強く感じた事件だった」と語った。放送記者として歩み始めてまだ間もない高山記者にとっては、彼女自身が記者として成長する機会でもあったようだ。


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