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ジャニーズ報道「沈黙する日本メディア」

2024-03-14 15:46:07 | 講演・講義・フォーラム等
 ジャニー喜多川による性加害問題が昨年3月にイギリスBBC放送がドキュメンタリーで放送されて公になったことで、日本のメディアの在り方が問題となった。メディアの世界では公然の秘密だったとも伝えられるこの問題に日本のメディアはなぜ沈黙してしまったのか、識者が鋭く突いた。

     
 3月9日(土)午後、北大学術交流会館においてメディア・アンビシャスと称する市民団体がジャーナリズムを研究する水島宏明上智大教授を招いて「沈黙する日本メディア~ジャニーズ報道から考える~」と題する講演会を開催したので参加した。
 水島氏は、元々は札幌テレビ放送(STV)でドキュメンタリーのディレクターを務め、その後日本テレビに移り、さらに法政大学を経て、現在は上智大学で教鞭をとられている方だと紹介があった。
 ジャニー喜多川による性加害問題については、関係者間では古くから囁かれていて、いわば公然の秘密というような問題だったとその後伝えられた。しかし、日本の大手メディアはこの問題から目を背け続けてきたという。一部メディアが細々と伝えてはいたそうだが、我々一般大衆には届いていなかった。
 そうした中、昨年3月18日、イギリスBBC放送「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」と題するドキュメンタリーを放送した。そしてそれに呼応する形で関係者(被害者)がポツポツと名乗り出ることで5月11日になってTBS「News23」でようやく独自取材で特集番組を放送するに至ったという。
 講演の中で、水島氏はBBCのドキュメンタリーを時折り間に挟みながら話を進めた。ドキュメンタリーはBBCのモービン・アザー記者が関係者にインタビューしながら進行する内容だったが、被害者の一人は「これを我慢しないと売れないから」と周りから言われたと話す。また “りゅう” と名乗り出た元アイドルは、今でもジャニーズが大好き、尊敬していると語るものもいた。
 水島氏は指摘する。ジャニーズ事務所の創始者ジャニー喜多川氏(故人)の男性アイドルに強いた性被害の数々は、深刻極まりない人権侵害である。そのことは本来糾弾されるべき事件であるにも関わらず数十年も一部メディアから伝えられる状況に止まったのは何故か?芸能ネタ、まして性的スキャンダルとみなした大手メディアの ”無自覚” さらにはダントツの勢力を誇る同事務所に対する業界ぐるみの “忖度” があったと指摘する。
 そして今度はジャーナリズムの世界的 “権威” (BBC)から指摘されると掌を返したかのような情報洪水、という日本のジャーナリズムの不甲斐なさを指摘する。

     
     ※ 講演する水島宏明上智大教授です。

 今回の問題はいったい何に起因しているのだろうか?その点について水島氏は多くは語らなかった。
 ただ、こうした問題が指摘された日本のジャーナリズム界だが、はたして真剣に反省したところはあるのだろうか?私ははなはだ心もとないような気がするのだが、どうなのだろうか??


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