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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

木組 分解してみました

2020-10-09 15:39:52 | 作品展・展覧会等

 木組…、それは我が国には太古の昔から木と木を組み合わせることで、さまざまなものを作り上げるという文化を育んできた。そうした木組の技術の一端を垣間見ることができる展覧会を覗いてみた。

          

          ※ 「木組 分解してみました」展覧会ポスター

 竹中大工道具館が主催する「木組 分解してみました」展覧会がJRタワープラニスホールで開催されていると知って妻と二人で出かけてみた。竹中大工道具館は開館35周年を記念して全国巡回展として開催しているとのことだった。

 「木組」とは、木の性質を利用して「木と木を」隙間なく「組み合わせる」ことで、木材は最も力強くかつ美しく表現することができるといわれている。接着したり、金物で接合したりするのではない木材のみで組み合わせる技術である。木組の技は日本人独特の繊細さと緻密さが発揮された技術であるとも云われている。

 札幌エスタ11階にある「プラニスホール」に入って、まず目にドーンと飛び込んできたのは岩国市にある「錦帯橋」の1/2.5モデルだった。木によるアーチ構造の錦帯橋は有名であるが、その1/2.5モデルの一部を目の当たりにできたのは幸運だった。

   

   ※ 「錦帯橋」の1/2.5モデルの一部がドーンと展示されていました。

   

   ※ 実際の岩国市に架けられている「錦帯橋」です。

 会場内にはさまざまな木組みの例が展示されていた。古来から伝えられてきた技術、あるいは技術の進歩によってさらなる発展を遂げた木組みの技術の粋が集められていた。そしてそれらの技術を組み合わせ、地震など災害にも強い歴史的な木造建築を数多く残す ことができたのも木組みの技術があったからこそ、と思わずにはいられない。

  

  ※ 継手仕口の「腰掛け鎌継ぎ」という技術です。

     

     ※ 寺社建築などに用いられる「杉丸太の捻子組」という技術です。

 会場内でもう一つ目を惹いたのが「組子細工」である。「組子細工」は建築の世界の木組とは異なるが、正確な設計と熟練の技術を必要する繊細さと緻密さを要求される点は木組と同じである。その細やかさ、技術の高さは見るものを圧倒する力があった。

   

   ※ 「組子細工」の作品です。

   

   ※ 組子細工の一部を大写ししたものです。

 主催者である「竹中大工道具館」はもちろん建築・設計の大手・竹中工務店の関連機関である。展示からは、木材建築の良さを見直し、技術の進歩によって木材による中高層建築に取り組んでいることをPRするねらいもあったようだ。いただいたリーフレットによると国内においてはさまざまな公共施設や学校、社屋などで木工建築の多くのプロジェクトが進行中のようだ。

 木材建築の良さが今見直され、さらなる発展を遂げているようである。

 なお、展覧会の会期は10月25日(日)までである。興味のある方は覗いてみることをお勧めしたい。観覧料は無料である。



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