最近物忘れが多い、久しぶりに会った人の名前が思い出せない等の症状があっても、日常生活に支障がない場合は認知症ではなく、軽度認知障害の可能性があるという。「えーっ!?」身に覚えがないわけではない私は真剣に耳を傾けた。
6月11日(火)午後、社会福祉総合センターで開催された「高齢者市民講座」に参加した。今回のテーマは「認知症について~軽度認知障害と人生会議の勧め~」と題して、札幌東徳洲会病院の認知症看護認定看護師である奥村彩氏が講師を務めた。
まず「軽度認知症(MCI:Mild Cognitive Impairment)」とは、厚労省によると次のように定義されているという。
◆ 年齢や教員レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
◆ 本人または家族による物忘れの訴えがある。
◆ 全般的な認知機能は正常範囲である。
◆ 日常生活動作は自立している。
◆ 認知症ではない。
この定義に照らして自分を省みてみると、心当たりがないわけではない。そして奥村氏は「軽度認知症は認知症の前段症状でもあると言われている」と話された。う~ん。これは真剣に聞かねばならないと思った。
そこで奥村氏は「軽度認知症から認知症にならないために」と次の12カ条を紹介していただいた。それによると…
①適度な運動 ②禁煙 ③栄養バランスの管理 ④アルコールの多飲を避ける ⑤認知面への刺激 ⑥社会活動 ⑦体重管理 ⑧高血圧の管理 ⑨糖尿病の管理 ⑩脂質異常症の管理 ⑪うつ病への対応 ⑫難聴の管理
いやいやずいぶん多岐にわたるものである。数年前から高血圧の薬を服用している私であるが、これからはさらに多方面に気配りしながら生活することの必要性を痛感させられた。
そして奥村氏のお話は「人生会議をしましょう!」と呼びかけられた。「人生会議」とは?私は今年になって初めて聞いた言葉だったが、これもまた厚労省が提唱していることだという。厚労省の提唱では「人生の終わりまで、あなたは、どのように過ごしたいですか?」との呼びかけのもと、「もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて、前もって考え、繰り返し話し合い、配偶者や家族と共有する取り組み」だという。
同年代の方々の訃報が時折り届くようになったことから「自分にとっても他所事ではなくなったなぁ」という思いが強い。近いうちに妻や息子とこのことについても話し合ってみたいと思うようになった私である…。