田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

アムール川・間宮海峡を行く-林蔵の道

2016-03-03 23:45:47 | 講演・講義・フォーラム等
 間宮海峡を発見した間宮林蔵の足跡を辿ったDVDの完成を記念した試写会が道新のDo-BOXで行われた。1808年に確認された間宮海峡から200余年、サハリンの北の寒村は林蔵が発見した当時とそれほどの変化はない寒村だった…。 

                  

 3月3日(木)午後、道新Do-BOXにおいて、「アムール川・間宮海峡を行く-林蔵の道」のDVDの完成試写会が行われたので参加した。
 北海道新聞社では、「シリーズ極東DVD3部作」として、第1部「北緯50度線を行く-サハリン・北千島のいま-」、第2部「アムール川・間宮海峡を行く-林蔵の道-」、第3部「大シベリアを行く-光太夫とマンモスを追って-」の3部作を作成しているという。
 第1部はすでに完成して1月から一般販売されているらしい。今回はその第2部の完成記念の試写会だった。

 この制作の中心になっている方は、北海道新聞社の編集委員でもある相原秀起氏である。氏はサハリン、シベリアをはじめ、千島列島など、北方各地の歴史や自然の取材や掘り起こしを担当記者として専門に携わっているらしい。以前に、相原氏の講演も一度聞いたことがあったが、とても興味深かったことを覚えている。

            

 今回のDVDは約42分間にまとめられたものであるが、間宮林蔵が歩いたサハリンの全てをカバーしたものではない。
 DVDはサハリンの北端の町オハから林蔵が間宮海峡を発見した寒村ナニオーに向かい、そこの丘から海峡を挟んで大陸を望むところから始まる。その海峡を確認し、林蔵はサハリンが大陸の半島ではなく、島であることを確信したことに思いを馳せる。
 そして次に、林蔵がロシアとの交易のための上陸した大陸側の湾岸で、上陸に適したところがタバ湾しか見当たらず、そこに林蔵たちが上陸したであろうことを確認する。

 このように、DVDは林蔵の足跡を辿るようにアムール川の下流域にも足を延ばしているが、アムール川を上空から撮影した映像があるが、それはまるで太古の川そのまま、という感じで川面が縦横に広がって見えた。それでも今、アムール川流域では開発が進み、これまでの自然が失われつつあると聞く。今回の試写会の趣旨からは外れるが、ここでも開発と自然保護の難しさが問われているようだ。

           

 さて、そのような映像であるが、正直な感想を云わせていただければ、映像としてそれほど魅力のあるものとは私には映らなかった。販売価格が3,500円ということだが、図書館とか、専門課程のある大学などが資料的価値として興味を示すかもしれないが、一般の方がどれほど購入するだろうか、と思ったが…。

           
           ※ 間宮林蔵が描いた絵図の一枚です。絵心もかなりのものと推察されます。

 そのことより、私が関心をもったのは、間宮林蔵の測量師としての確かな腕である。当時の貧弱な測量機器で相当に正確な地図を作成したということだ。また、遺された絵図の素晴らしさも特筆に値する腕前である。
 林蔵は農民出身いうことだが、幕末とあって階級的なものが緩やかになっていたようだ。彼のように資質のある者は、例え農民出身であっても取り立てられる道があったということだろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。