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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

壮大なシュトラウスの交響詩 by 札響

2023-09-21 20:19:13 | ステージ & エンターテイメント
 壮大なR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」を札幌交響楽団の演奏で堪能した!100人を超える大迫力の演奏は、時には勇壮に、時には寂しく、一人の男の激しくも美しい生涯を札幌交響楽団は見事に演出して魅せた。
    
 昨夜(9月20日)、札幌コンサートホールKitaraにおいて札幌を中心に冠婚葬祭業を展開する(株)あいプラングループの協賛による「ラブ&サンクスコンサート」が開催され参加した。(協賛とはいっても、聴衆は入場料の一部を負担する方式だったが…)
 この日に演奏された曲目は次の3曲だった。
 ◆ベートヴェン/「プロメテウスの創造物」序曲
 ◆ハイドン/チェロ協奏曲 第1番 ハ長調
 ◆R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」op.40
 最初の「プロメテウスの創造物」序曲は演奏時間約5分の小曲だった。この演奏の時はまだ演奏陣も少なく、曲の出だしに非常にインパクトを感じたが、それ以外はクラシック初心者の私には特に印象として残らぬ曲だった。
 2曲目の「チェロ協奏曲」は、チェロのソリストとして教育大岩見沢校で非常勤講師も務める山田慶一氏が迎えられ、ソロを務められた。私はチェロの音色が好みである。ヴァイオリンやビオラの繊細な高音に対して、低音が奏でる落ち着いた音にヴァイオリンとは違った魅力を感ずる。(低音といえばもっと低いコントラバスもあるが…)ところがハイドンの協奏曲は、チェロの低音を強調するのではなく、チェロの音を細切れに速く演奏する曲だった。山田氏の演奏はハイドンの要求に見事に応えた演奏だったのだが、私の期待したチェロの音とはちょっと違っていた。そう感じたのはクラシック初心者の私だけかもしれないのだが…。
  
  ※ ソリストを務めたチェロの山田慶一氏です。
 休憩を挟んで、この日のメインデッシュ(?)であるシュトラウスの「英雄の生涯」である。ステージには100人を超える演奏者が勢ぞろいした光景は圧巻だった。しかもこの日のステージは指揮者の梅田俊明氏をはじめ男性陣は全員が燕尾服(テイルコート)を着用していた。なぜか札幌交響楽団の力の入れ具合が伝わってくるような気がした。
 「英雄の生涯」は演奏時間が45分間という広壮で雄大、そして繊細な構成の曲だった。曲は解説によると、「英雄の生涯」は4楽章から成るのではなく、6つの部分から成りそれが切れ目なく45分間演奏が続くものだった。その6つの部分とは、①英雄、②英雄の敵、③英雄の伴侶、④英雄の戦場、⑤英雄の業績、⑥英雄の隠遁と完成から成っているという。
 曲は英雄の生涯を描くように、時に激しく、時には哀しく、時には穏やかに…、場面がさまざまに変わった。その中で③の英雄の伴侶の場面では、札響のコンサートマスターである田島高宏氏のヴァイオリンソロが響きわたる場面が印象的だった。
 解説を読むと、英雄はシュトラウス自身ではないかという説があるそうだが、それではやや鼻白む思いがしてしまう。ここではやはり建国の王とか、歴戦を勝ち抜いた将軍などが相応しいのでは、と私は思うのだが…。
       
       ※ この日の指揮を務めた梅田俊明氏です。
 それはともかくとして、英雄と称される男の一生を描き切った名曲であり、それを演奏し切った札幌交響楽団の皆さんに大きな拍手を送りたい。
 その演奏の中で一つ、私が「あれっ?」と思った場面があった。曲の途中で確かトランペット奏者の3人が退場したのだ。それだけではない。その3人が再び登場したのだ。これはどういうことなのだろうか?オーケストラの演奏をそれほど数多く聴いているわけではないが、今回のような場面は初めて遭遇した。いったいどういうことなのだろうか?アドバイスしていただける方がいらっしゃったら是非教えてほしい。
 そのことは別としても、この日の演奏には十分に満ち足りた思いでKitaraを後にした私だった。


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