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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

AI(人工知能)はどこへ行くのか?

2017-11-11 21:51:14 | 講演・講義・フォーラム等
  AIが将棋や囲碁のプロ棋士を凌駕したニュースはもうかなり前のニュースのような気もする。それほど進化し続けるAIはどこへ行くのか?そして、人間とAIの関係はどうなっていくのか?AI研究の第一人者に聞いた。

               

 11月9日(木)午前、アクセスサッポロで開催された「ビジネスEXPO」のセミナープログラムの基調講演を受講する機会を得た。
基調講演は、人工知能学会の前会長であり、はこだて未来大学の副理事長である松原仁氏「人間は人工知能とどう付き合っていくべきか」と題して講演した。

 松原氏は冒頭に、「人工知能についての明確な定義はない」と話された。
 概念的には、工学的な目的として「人間のような知性を持った人工物を作ることが目標」だという。また、科学的には「コンピュータを題材にして知能について研究すること」だという。
 う~ん、難解である。具体的には、松原氏は「個人的には鉄腕アトムを作りたい」とおっしゃった。少しイメージができるかもしれない。

                    

 さて、AI(人工知能)の発達の歴史にはこれまで3度の波があったと松原氏は言う。
 1度目は1950年代、2度目は1970年代だという。その2度とも夢は描かれるのだが、現実が追い付いていなかった。そして今、2010年代に入って3度目のブームが訪れていて、今度こそはどうやら本物との雰囲気が出てき始め、企業や政府研究機関が本腰を挙げてAIの研究をスタートしたそうだ。
 その背景には、ビッグデータとIoTの存在が大きいという。

 AIが今どのように産業に応用されているかというと、自動車の運転支援、出入国などの個人認証、肺がんや大腸がんの写真検査、社内メールの管理など、さまざまな分野に及んでいるという。現在のAIの得意分野は画像認識の分野において優れているそうだ。

 将棋や囲碁において、すでに人間を凌駕する力量を備えたAIであるが、全てにおいて人間に取って代わるということではないという。
 AIが人間に取って代わることのできない分野には、想定外の状況における判断、新しい枠組みを思いつくこと、新しい価値を創造すること、等々の分野である。

 ということは、将来において私たちの仕事がAIに取って代わられそうな職業として、一般事務員、会計監査係員、給食調理人、銀行窓口係、タクシー運転手などが考えられるという。シンクタンクなどの予想では、現在の日本の労働人口の49パーセントが取って代わられるとの予測もされているそうだ。

                    

 最後に松原氏は、人間と人工知能(AI)のこれからについて、次の4点を指摘された。
 ①人間と人工知能で役割を分担する
 ②「人間+人工知能」として賢くなっていく
 ③人工知能をいいものにするのも、悪いものにするのも人間次第である。
 ④賢くなった人工知能を人間が受け入れるにはある程度の「とき」が必要と思われる。

 そして、松原氏が指摘した4点を具現化した形で私たちが認識できるのは「スマートフォン」であるとした。確かに、スマホを使用することによって私たちが得たい情報が瞬時に、多量に得ることができるようになった。
 そのスマホを良い方向に使用するか、そうでない方向に利用するかは人間次第である。スマホの良さに気づいた人たちは、今や老若男女すべてが使用し始めたのも、松原氏が指摘したことに当てはまるような気がする。

 どうやら人工知能(AI)第三の波は、私たちの生活を大きく変えようとしているようである。今夜のテレビが伝えていた。中国では商品の売買においてスマホ決済が常識になりつつあると…。
 技術の進歩には、必ずと言ってよいほど「光と影」がある。「影」の部分がはびこることに十分留意しながら、人工知能(AI)が私たちの生活に「光」をもたらしてほしい。


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2 コメント

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Re:人間はどこに行くのか (田舎おじさん)
2017-11-13 23:59:11
いつも拙ブログをチェックしていただき、こうしてコメントもいただきありがとうございます。
確かに世の中の進展?変転?がますます速度を増す感があり、肝心の私たち人間が戸惑っている感もありますね。
ぼーっとしているとおいていかれちゃうかもしれません。くわばら、くらばら…。
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人間はどこに行くのか (おなら出ちゃっ太)
2017-11-12 17:21:18
労働人口が不足すると言われる反面、AIで仕事がなくなるという議論もあり、どっちなんだ?と思っちゃいますよね。AIで代替できない「創造的な」仕事は全員ができるワケでもなく、しても困るだろうし。
介護職を増やしたいのかもしれませんが、あれは向き不向きがあると思います。
少なくとも、私には向かない。(^_^;


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