田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「開かれた」学びの環境?

2020-02-03 16:48:01 | 講演・講義・フォーラム等

 学校では今「地域における学び」を重視し、「開かれた」学びの環境をどのようにつくるかが課題であるという。私のようなひねくれ者にとっては「いまさら」の感が無きにしも非ずなのだが、ちょっと真面目に考えてみたい。

   

 1月30日(金)午後、札幌市内某ホテルにおいて北海道内の教育関係者110名強が一堂に会する会議があった。会議名は差し障りがあることも考え、敢えて封印したい。

 会議は毎年一度開催されているのだが、これといった強制力はないものの、教育に関わる喫緊の課題について論議して各教育団体が課題を共有しようという趣旨で開催されている。その喫緊の課題としてリード文で触れたように、今年度は「開かれた」学びの環境をどのようにつくるか、ということを課題として共有しようということになったのだ。

 会議では各団体の代表の方が、コミュニティスクールの推進とか、幼保小の連携とか、PTAとの事業の共催とか、様々な形で開かれた学びの環境をつくっていくために努力するといったことを表明していた。

 学校が子どもの教育を進めるうえで地域や家庭との連携が欠かせない、ということは教育界においては早くから言われていたことである。事実、この会議においても過去に何度も喫緊の課題として似たような文言が登場している。それがなぜ今改めてこうした課題が登場してきたのだろうか?

 私は率直に言って、これまではなかなか思うように連携が進められなかったという背景があるものと解している。私は学校教育一筋の教育人生ではなく、途中で6年間ほど社会教育に携わった経験がある。それはもう30年も前のことであるが、その頃から学校教育と社会教育の連携が叫ばれていた。私自身、その重要性を感得し学校教育に戻ってからさまざまな形で連携を試みた。しかし、周りの理解度、関心度は低かったと言わざるを得ない。

 それはなぜか?一つには私のような体験がなかったために、その必要性を感じられなかったことがあるだろう。二つ目には、学校教育の最前線に立つ学校現場には、時の課題解決のために次々と新たな施策が下りてくる。学校現場はその対応に振り回されているという現実がある。さらには表には出せない本音の部分が隠されているのかもしれない。

 課題解決……、学校は社会の縮図とも言われる。社会で起こるさまざまな事象はすぐさま学校現場にも反映される。いじめの問題、貧困の問題、IT機器の問題、等々…。そうした中で地域や家庭との連携が叫ばれたとしても、学校現場には真剣にそのことを受け止める気持ちの余裕がなかったのだ。

 本当は、そうした問題も学校を「開かれた」環境にして、地域や家庭との連携を深めていくことで諸課題の解決の糸口も見えてくる、と社会教育を体験した私には言えるのだが…。

 だから今回、各教育団体が本気になって「開かれた」学びの環境づくりに邁進してくれることを心から望みたい思いである。

 いや~、この種の投稿はとても気を使う。かなり抑制して書いたつもりなのだが、真意を汲み取っていただけたら幸いである。