田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

スポーツで北海道を元気に!?

2016-03-24 23:13:31 | 講演・講義・フォーラム等
 海外でスポーツ選手として活躍したり、途上国において指導した経験のある方を招いて、「スポーツで北海道を元気にしたい!」という趣旨のフォーラムが開催された。スポーツ好きであることでは人後に落ちないが、スポーツが地域づくりどれほど貢献できるのか?ということについて考える良い機会だった。 

            

 3月21日(月)夜、JICA北海道の設立20周年記念イベントとして「北海道を元気に! 国際協力・スポーツフォーラム」が道新ホールで開催され、参加した。
 フォーラムは、第1部が「北海道の活性化と国際協力」と題して、日ハムのGM補佐に就任した木田優夫氏と「ブルキナファソ野球を支援する会代表」の出合祐太氏によるトークショーが行われた。
 第2部は、JICAボランティアと語る「スポーツで創る平和と未来」と題して、世界の途上国に派遣されスポーツ指導に携わった前出の出合さんを含めて4人が登場してパネルディスカッションが行われた。

 木田氏は、趣旨に関わっては多くを語らなかったように思う。ただ、彼が野球を通して「人を思いやる。周りを見る。人の気持ちを思いやる。」というようなことを学ぶことができ、その良さを伝えていきたい、と語った。
 そのことより、私は彼が日ハムのGM補佐というポジションに就いたことに興味を持った。
 私が思うに、一つは彼の野球遍歴ではないだろうか。巨人にドラフト1位で入団し、その後オリックスを経て、アメリカ大リーグに挑戦、帰国後日ハムでプレーをし、その後独立リーグの石川ミリオンスターズで投手兼GMを務めたという多彩な経験に日ハムは注目したのではないだろうか?
 もう一つが、木田氏の人柄である。彼はプロ野球選手としてそれなりの実績があるにも関わらず、非常に謙虚な人柄である。また、誰からも愛されるようなキャラクターの持ち主でもある。
 GM補佐という微妙なポジションは、彼を日ハムの広告塔として重用する傍ら、多彩な経験をチームづくりに生かしたいという日ハムの思惑が見えてくるような気がする。日ハムがさらに北海道民に愛される球団となっていくために欠かせない人材になりそうである。

                  

 さて、一方の出合氏である。出合氏はJICAの青年海外協力隊の一員として西アフリカのブルキナファソに野球指導で派遣され、帰国後もブルキナファソの野球普及に尽力されている方である。彼の尽力により、現在ブルキナファソの青年が四国の独立リーグの球団で選手として活躍するなど、その努力が実を結び始めているらしい。
 その活動はさらに拡がりを見せ、今夏にはブルキナファソをはじめとする西アフリカの野球チームを日本に招いて、北海道でも日ハムOBと交歓試合をすることになっているという。
 出合氏は語る。彼の場合は野球であるが、野球を通して途上国を支援することは、必ずや北海道を元気にすることに繋がると…。

 その後行われたパネルディスカッションは、出合氏の他、シリアとヨルダンにバドミントン指導で派遣された鈴木氏、エルサドバドルに柔道指導で派遣された藤後氏(女性)、グァテマラに剣道指導で派遣された河田氏(シニアボランティア)が登壇し、それぞれが自らの体験を語った。
 それぞれの体験は貴重であり、それぞれが立派な国際貢献をされたものと窺えた。

 彼ら一人ひとりの国際貢献は小さなものだったかもしれない。しかし、それは途上国に日本の良さという確かな芽を植えてきたに違いない。
 そうした一つひとつの芽がやがて育って、彼らの出身地だった北海道に何かの形で還ってくる。そのことが「北海道を元気に!」することに繋がってくれれば素晴らしいことなのだが、と思ったフォーラムだった。