気候変動を語るとき、気温の上昇について語られることが多いが、海水温の上昇もかなり深刻らしい。そして海水温の上昇がもたらす影響は?南極海域の海水温の変化を追っている研究者から話を聞いた。
11月23日(日)夕刻、紀伊國屋インナーガーデンで北大CoSTEPが主催する「サイエンス・カフェ札幌」が開催され参加してきた。
今回のテーマは「つめたい海が氷をとかす ~南極の海流と気候変動~」と題して、北大低温科学研究所の青木茂准教授が語った。
青木氏の説明は明快で、良く理解できたのだが、いかんせんスピードが速すぎた。私のメモ力ではまったく追いつかないのだ。
私がメモできた確かなことだけレポすることにする。
青木氏が話されたことで、まず私が認識を新たにしたのが、「地球に注がれるエネルギーの大半は海に蓄積される」という事実だ。大気や地表などは問題外だ。その比較の図は写真のとおりだ。
※ このグラフを注視していただきたい。熱エネルギーが蓄積するのは浅い海と深海が圧倒的です。
その蓄積された熱エネルギーが徐々に寒冷な南極海の海水温度を上昇させ、南極の氷を溶かし始めているという事実があるという。南極海の海水は今でも低温であるが、以前は結氷温度のマイナス2℃以下だったものが、最近は季節によって海水温が上昇しブラス1℃くらいになることもあり、ゆっくりではあるが氷を溶かし始めているという。
その溶かされている氷というのは、南極大陸を覆う「氷床」から海に突き出た「棚氷」なのだが、棚氷が融けて南極海に漂うのが「氷山」である。
一方、海水が凍ることによってできる氷は「海氷」と称される。「流氷」と称される氷もあるが、それらは海氷が海上を漂っている状態のものを指し、海氷のほとんどは流氷になるという。
※ 講演をする北大低温科学研究所の青木准教授です。
南極海の海水温の上昇によって棚氷が徐々に溶け出していることについては既に触れたが、やはり極寒の南極である。冬季には海水も凍るのである。
その海水が凍るとき、海水中の塩分は外に押しやられ、より純水に近い状態で「海氷」が生成されるという。すると濃い塩分を含んだ海水は重量があるために深海に沈んでいくことになる。その深海に沈んだ冷たい海水が、深海において地球上を移動しているという。それを深層海流と称するらしい。
その深層海流が、暖かな海水を南極地方に運ぶ役割をしているらしい、というところまでは私にも理解できたところだ。(と云いながら事実誤認があるかもしれない)
※ 会場には南極の海中を観測する数々の機器が展示されていました。
講師の青木准教授が後段に不気味なことを話された。
南極の氷が溶けるという動きは、例え今CO2の排出量を抑えたとしても、その動き(トレンド)は変わらないであろう、と…。地球のこうした動きは100年単位で推移していくと考えた方が良い、というような主旨のことを話された。
今すぐに地球温暖化の動きは止められないまでも、遠い将来のことを考えると、世界はもっともっと真剣に温暖化ストップへ向けての動きを加速しなければならない時を迎えているのではないか、と思えるのだが…。
11月23日(日)夕刻、紀伊國屋インナーガーデンで北大CoSTEPが主催する「サイエンス・カフェ札幌」が開催され参加してきた。
今回のテーマは「つめたい海が氷をとかす ~南極の海流と気候変動~」と題して、北大低温科学研究所の青木茂准教授が語った。
青木氏の説明は明快で、良く理解できたのだが、いかんせんスピードが速すぎた。私のメモ力ではまったく追いつかないのだ。
私がメモできた確かなことだけレポすることにする。
青木氏が話されたことで、まず私が認識を新たにしたのが、「地球に注がれるエネルギーの大半は海に蓄積される」という事実だ。大気や地表などは問題外だ。その比較の図は写真のとおりだ。
※ このグラフを注視していただきたい。熱エネルギーが蓄積するのは浅い海と深海が圧倒的です。
その蓄積された熱エネルギーが徐々に寒冷な南極海の海水温度を上昇させ、南極の氷を溶かし始めているという事実があるという。南極海の海水は今でも低温であるが、以前は結氷温度のマイナス2℃以下だったものが、最近は季節によって海水温が上昇しブラス1℃くらいになることもあり、ゆっくりではあるが氷を溶かし始めているという。
その溶かされている氷というのは、南極大陸を覆う「氷床」から海に突き出た「棚氷」なのだが、棚氷が融けて南極海に漂うのが「氷山」である。
一方、海水が凍ることによってできる氷は「海氷」と称される。「流氷」と称される氷もあるが、それらは海氷が海上を漂っている状態のものを指し、海氷のほとんどは流氷になるという。
※ 講演をする北大低温科学研究所の青木准教授です。
南極海の海水温の上昇によって棚氷が徐々に溶け出していることについては既に触れたが、やはり極寒の南極である。冬季には海水も凍るのである。
その海水が凍るとき、海水中の塩分は外に押しやられ、より純水に近い状態で「海氷」が生成されるという。すると濃い塩分を含んだ海水は重量があるために深海に沈んでいくことになる。その深海に沈んだ冷たい海水が、深海において地球上を移動しているという。それを深層海流と称するらしい。
その深層海流が、暖かな海水を南極地方に運ぶ役割をしているらしい、というところまでは私にも理解できたところだ。(と云いながら事実誤認があるかもしれない)
※ 会場には南極の海中を観測する数々の機器が展示されていました。
講師の青木准教授が後段に不気味なことを話された。
南極の氷が溶けるという動きは、例え今CO2の排出量を抑えたとしても、その動き(トレンド)は変わらないであろう、と…。地球のこうした動きは100年単位で推移していくと考えた方が良い、というような主旨のことを話された。
今すぐに地球温暖化の動きは止められないまでも、遠い将来のことを考えると、世界はもっともっと真剣に温暖化ストップへ向けての動きを加速しなければならない時を迎えているのではないか、と思えるのだが…。