田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

スポーツの力 ~国技大相撲~

2011-11-09 23:31:40 | 講演・講義・フォーラム等
 11月5日、ちえりあホール(札幌市生涯学習センター)で元関脇・藤ノ川で第11代伊勢ノ海親方の講演会がありました。大相撲の話などめったに聞けない貴重な機会と思い、ちえりあまで出かけたのですが…。 

 元関脇・藤ノ川というと小さな体で土俵を動き回り「今牛若」などと呼ばれ人気を博した力士です。親方になってからは北の海理事長時代の№2として、相撲界のさまざまな不祥事に対してマスコミ対応をするという苦労をされた方です。(今年9月に相撲協会を退職されました)

          

 氏は冒頭、大相撲はスポーツである前に、江戸時代に端を発した武芸であり、武道であると話された。(さらには相撲は神事であるとも話されました)そして大相撲は古くから多くの庶民の娯楽の対象であったとした。
 それが今、大相撲は外国出身の力士に席巻されている感があります。そのことが親方にとってはかなり気懸かりなことのようでした。
 事実、当日入場者に配られた九州場所の番付表を見ると、幕内力士42名中16名が外国出身力士で占められていました。しかも番付上位に多いために一段と大きく太く出身国が描かれているのが目立ちました。

               

 そして親方は「日本人力士が多くなくては」と言うのですが…。
 外国人力士の進出に対して協会はまったく規制をかけていなかったとし、日本人力士より外国人力士の方がハングリー精神が旺盛であると嘆きます。また、日本の現状として優秀な人材がほかのスポーツに流れているとも指摘しました。

 このことを聞いていて、私は大相撲の門戸を外国人に開放したことにより、大相撲は武芸や武道からスポーツに変身(変質)してしまったのではないか、思っています。彼らにとっては「強けりゃ、それで良し」との考えではないでしょうか。(彼らばかりでないかもしれませんが…)それを体現したのが元横綱・朝青龍の姿だったと思います。

          

 伊勢ノ海親方の話は、相撲協会の一連の不祥事についても触れ、その対策に取り組んでいることも紹介されましたが、親方の口ぶりからは凋落傾向が続く相撲界を抜本的に改革する策を見いだせないでいる苦悩のようなものが感じられました。

 大相撲の歴史を紐解くと、多くの混乱や危機を乗り越え今日に至っているようです。現在の大相撲界に起こっている数々の危機を果たして乗り越えて、大相撲が今後も多くの人々の娯楽の対象であり得るのでしょうか?
 少年時代に栃若対決に胸躍らせた筆者としては心配しつつ事の行方を見守りたいと思います。