田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 60 アントキノイノチ

2011-11-23 21:45:44 | 映画観賞・感想

 人生とは不条理である。生きることに絶望した二人が出会い、生きる希望を見出したと思ったのもつかの間、主人公ゆきは幼い命を救うために自らの命を投げ出してしまった…。 

          

 久しぶりの映画鑑賞でした。今年はいままでにないハイペースで映画を観ていたのですが、久しく離れてしまい記録を見ると9月下旬以来約2ヶ月ぶりでした。
 新聞で評判なっていたのですが、作品を紹介するネット上の記事で「若い人に観てもらいたい」という趣旨の記述を見て「どうしょうかぁ…」と思いましたが、思い切って11月21日(月)札幌シネマフロンティアに足を運びました。
 映画は私のようなおじさん(おじいさん?)にも十分に楽しめるクォリティの高さを感じた映画でした。

 良かった原因の一つが原作の素晴らしさにあると思いました。
 歌手であるさだまさしの原作ということですが、「遺品整理業」というあまり馴染みのない仕事を通じて心に傷を負った若い二人が出会い、「命」の尊さに気付くという内容なのですが、さだ氏のストーリーテーラーとしての確かさを感じさせる作品でした。

 また、キャスティングの素晴らしさもこの映画を成功させていると思いました。
 生きることに不器用で、どこか自信なさそうな主人公・杏平を演じた岡田将生。心に傷を負いながらも健気に生きようとするゆきを演ずる榮倉奈々。お笑い芸人のかけらも見せず存在感のある演技を披露した原田泰造(ネプチューン)。などなど…。

  

 映画のタイトル名「アントキノイノチ」は、もちろん「あの時の命」をもじったものです。
 主人公の二人がそれぞれ過去に人が命を落とすことに関わり、大きな傷を負い、その影を背負いながら「あの時の命」のことを思いながら「生と死」ついて考え、もがきながら生きる二人の姿を描くことから、原作と同じタイトル名が付けられたようです。

 今日(23日)でロードショー開始5日目ということですが、客足は期待したほど伸びていないとネット上では伝えています。その原因の一つが「タイトル名にあるのでは?」と評されています。「タイトルにインパクトがない」と…。
 年末一番の話題作とも言われていた作品ですから、客足が伸びていないとしたらとても残念なことです。若い人も、そうでない人も、感動すること間違いのない映画だと思います。
 私は◎印を付けて推薦します。