田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

Fan Service First

2011-11-18 22:46:22 | 講演・講義・フォーラム等
 時には英語のタイトルもいいかな?と思い採用しました。「ファン サービス  ファースト」は北海道日本ハムファイターズの会社もチームも共通に大切にしているスローガンだということです。日ハム球団の前社長・藤井純一氏の話を伺いました。

          
 
 藤井氏というと、2010年のドラフトで斉藤佑樹投手を引き当て、左手を大きく挙げた姿が印象に残る日ハム球団の前社長です。
 その藤井氏が11月11日(金)アスティビル45でOBSフォーラムの一環として「北海道で生まれ変わったファイターズ」と題して講演されました。
 OBSとは、小樽商科大学ビジネススクールのことで、そのスクールのイベントとして市民にも開放されて開催された講演会です。

 藤井氏は2000年から4年間、当時赤字経営に陥っていたサッカーチーム・セレッソ大阪の社長に就任し経営を軌道に乗せた方です。
 その手腕を買われて、2005年(株)北海道日本ハムファイターズに招かれ、翌2006年から5年間日ハムの社長として陣頭指揮をとり、今日のように北海道民に愛される日ハム球団に育て上げた立役者です。

 藤井氏のお話は、日本ハム球団の組織をいかにして活性化させたかという視点からお話しされました。
 辣腕藤井氏ですから組織のさまざまな改革に着手されたようですが、その根幹には「北海道日本ハムファイターズはサービス業である」という揺るぎない信念があったようです。
 サービス業だから「ファン サービス ファースト」は当然のスローガンと考えられたようで、氏は何度もこの言葉を口にされ、社員はもとより、選手にも徹底させたということです。

 面白いエピソードを披露してくれました。
 日ハムはシーズンオフになると、選手を全道各地に派遣しトークショウを行いファンとの触れ合いの場を作っています。日ハムに移籍した二岡智宏選手が派遣された後、藤井氏が「どうだった?」と聞いたそうです。すると二岡選手が「10年間在籍した巨人時代に書いたサインの数より、一日で書いたサインの数の方が多かった」と語ったそうです。

 日ハムはシーズン中、ファンが喜ぶようなさまざまな企画を実施していますが、これらは皆社員のアイデアから生まれたものだそうです。会社は社員のやる気を引き出すために能力主義を取り入れ、年齢や会社歴に関係なく成果を上げる社員を重用する人事制度を採り入れ、社員のモチベーションを高める工夫をしているということです。

 日ハム球団はプロ野球界の中でも、そのユニークで先進的な経営が成功し注目を浴びています。
 その中心的存在であった藤井氏の揺るぎない信念で、社員を強力にリードし続けることによって改革を成し遂げることができたものと私には思えました。

 藤井氏は最後に会場からの「会社を改革するコツは?」との質問に「ビジョンを持ち、それを全員で共有することが大切である」と述べたられたが、このことはどのような組織にも共通する課題ではないか、と思われた。
 どのようにして全員で“共有”するのか、そこが経営者の腕の見せどころなのかもしれない。