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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 19 南極料理人 ~ シネマの風景フェスティバル 2

2010-07-01 11:15:04 | 映画観賞・感想

 北海道内を舞台にした懐かしい映画(と言っても新しい映画もあるのだが)を連続上映する「シネマの風景フェスティバル」が札幌東宝プラザ(中央区南2西5)で6/26~7/2の日程で始まった。私はお得な回数券を購入し、6本全部を観ようと張り切っている。懐かし映画の感想を数回にわたってレポートすることにする。

              
 
 今回のフェスティバルにラインナップされた中では最も最近に制作された(2009年制作)作品です。
 ロケ地は網走市の冬の凍結した淘沸湖を南極に見立てて撮影した映画です。
 淘沸湖というと私が勤務した学校が直ぐ近くにあり、冬になるとよく白鳥観察に出かけた記憶があります。(私が勤務したのは2003年~2006年ですからロケはその後行われたようです)
 氷上に観測基地を模した建物を建て、遠景は南極の広大さを演出するために巧みな処理がなされていたようでした。

 ところが肝心の映画の内容がお世辞にも「素晴らしい」とは言い難い内容でした。
 原作は南極観測隊の料理担当として派遣された西村淳氏の「面白南極料理人」というエッセイだそうです。原作はおそらく南極観測隊基地の出先の観測所でたった8人の隊員の中で繰り広げられるさまざまなエピソードを料理をメインとして面白おかしく綴られたものと思われます。
 映画もその線を狙ったのでしょう。しかし、それが功を奏していないのです。ストーリーも演技も中途半端なのが残念でした。

 そもそも短編で綴られたエッセイを映画化するということに一つの無理があったのかなぁ、との思いが残ります。
 一つ一つの挿話が十分に描き切れていないのです。
 例えば、南極と日本とで遠距離恋愛をしていた隊員が電話をする中で失恋してしまいます。その彼がやけになって裸で極寒の基地外に飛び出すのですが、その結末にはまったく触れていなかったり…。

 キャストには堺雅人、生瀬勝久、きたろう、などといった芸達者をそろえているのですが、その彼らがぎこちなさを感じながら演技しているのが画面を通して伝わってくるような思いでした。
 
 今回のフェスティバルにはお得な回数券があると記しましたが、それは5本の映画を2,000円が観賞できるチケットです。ですから、1本あたり400円で観ることができるのです。観客を見てみるとやはり私のように時間のある高齢者の映画好きの方が多いようです。夜間や土日には若い方も駆けつけているのでしょうが…。
単発でも当日券が600円ととてもリーズナブルですよ!
                       (映画観賞日 ‘10/06/28)