田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

APECシンポジウム

2010-05-01 22:01:17 | 講演・講義・フォーラム等
 シンポジウムでは内田氏の基調講演(29日にレポート)に続いて「グローバル化の進展と北海道の進路」と題するパネルディスカッションが行われ、三氏がそれぞれの立場から提言されました。 

 パネルディスカッションには、講演された国際ジャーナリストの内田忠男氏、北海道商工会議所連合会会頭の高向巌氏、北海道知事の高橋はるみ氏の三氏とコーディネーターとして北海道大学大学院教授の井上久志が登壇しました。

 三氏の発言の要旨をメモに沿って書き起こしてみます。

【内田氏】
・北海道にはスケール感があり、伸び代がまだまだある。
・北海道人の気質~気宇壮大(「なんもさ」)
・国立大学の設置割合も高く、四年制大学が多い。産学協同による発展の潜在力を秘めている。
・グローバル化は世界の潮流であり、避けては通れない。競争に勝つ意欲を(負け犬意識は最大の敵)
・北海道と面積、人口が近いフィンランド、デンマークはいち早くグローバル化に対応し、経済的にも発展を遂げている。
・さまざまな面でポテンシャルを秘めている北海道の有為性を外に向かってどんどん発信してほしい。

        

【高向氏】
・北海道は国にとって必要性が低くなってきたことを自覚しなければならない。つまり、国が北海道を支援する時代は終わったのだ。
・北海道は国際社会の中で中進的地域を意識すべきではないか。アジア・環太平洋地域において、先進的でもない、後進的でもない位置からの発信を意識すべきだ。
・北海道においても成功例はたくさんある。有為な人材が北海道ドリームを描いてほしい。
・さまざまな意味において創意工夫が必要だが、グローバル化を意識した創意工夫が特に求められる。

        

【高橋氏】
・地球温暖化が進む今、北海道の冷涼な気候は一つの武器となる。
・21世紀の北海道の売りは「環境と食料」である。
・食料に関して北海道の自給率は200%である。クリーン農業を進め、量的・質的に日本の食料基地となりうる。
・北海道の豊富な水は全国平均の3倍の量を持ち、これから重要な要素となる。
・エネルギーについても石炭の埋蔵量は依然豊富であるし、新エネルギーの宝庫でもある。
・森林面積も全国の1/4を占め、大切な資源である。
・こうした北海道の優位性を利用して「北海道ブランド」をアジアの中に発信していきたい。

        

 この他にも登壇者はそれぞれの立場からさまざまな提言がなされましたが、私なりに登壇者の提言をまとめてみると…。

 世界の経済の趨勢はグローバル化が避けることのできない状況となっている。
 北海道もいやおうなく世界を視野に産業を考え、あるべき姿を考えていかねばならない状況である。
 そのような状況の中で北海道は、北海道の持っている利点を生かし、産学の英知を結集し、特にアジアに向かって積極的に発信していく必要がある。
 可能性を秘めている北海道はけっして悲観することなく、打って出る積極的な意欲が求められる。

 いろいろな場で北海道のあるべき姿が論じられています。
 今や処方箋は出揃ったようにも思われます。
 出でよ! ヒーロー! ということでしょうか…。