自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々
初めて見たあの子の涙。
きっとあの子も
ちっとも思ってい
なかったのだろう。
自分が泣いてしまうなんて。
いつも饒舌なあの子が
別れ際に教えてくれた
言葉よりも饒舌な言葉。
それぞれの心に木魂し
それぞれの涙を誘う。
初めて見たあの子の涙。
あの子も
初めて流したのだろう。
ただ悲しいだけではない
ひっそり流すのではない
たとえば
星空から舞い降りる
雪のような涙を…。
アネモネ〈キンポウゲ科〉
copyright Maoko Nakamura