マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

子どもが前のめりで探究を始める場とは?&「不登校」というレッテルが必要ない教育システム

2018年06月04日 | 子育て全般

こんにちは!

 

先週は高校の卒業式でした。

 

講堂にて、卒業式の待ち時間、

家族から長男に渡すカードに

メッセージをつづりました。

 

「母親として、

あなたと18年間暮らすことができて、

幸せでした。ありがとう」

そう書きながら、涙が溢れました。

 

卒業証書が全員に行き渡り、

大歓声の中、

400人近くの生徒が、

一斉に帽子を投げる様子、

感動しましたよ。

 

おめでとー!

みんな、高校という枠組みから飛び出して、

これからも、いろんな大変な体験をするだろうけれど、

そして時には、起き上がれなくなることもあるかもしれないけれど、

その一つ一つの体験が、必ず、糧になっていくからー。

 

心の中で、そう叫んでました。

 

 

翌日は、

長男の彼女ちゃんの家で、

卒業パーティー。

彼女ちゃんの親族友人あわせ30人ほどが集まりました。

我が家からは、姑含め7人の参加(次女は学校行事で不参加)。

 

子育て真っ只中の親たち、

子どもの問題について、あれこれ話が尽きません。

 

そこへ、彼女ちゃんのグランマが一言。

「Keep faith(信じ続けることよ)」

もう一人のグランマも。

「Never give up on  them(その子のことを、決してあきらめないのよ)」

 

それは、

18年間という期間のみではなく、

「20代になろうと、30代になろうと」と。

 

「30代や40代になって、

それまでの苦労が、

ああ、実ってきたなあと感じる時もくるから」と。

 

確かに、そんな長い目で、

子どもを見守っていけたら

より大らかに構えられるのかもしれませんね。

 

年を経るにつれ、

幸せ感が増すような人生を送られたら、

いいですね。

 

すべては、そうして花開いていくための、過程。

そう、心にとめていきたいです。

 

 

 

さて、今日は、

1年間勤務させていただいた学校での体験を通し

改めて、思うことをつづらせてください。

 

「アクティブ・ラーニング」を実践し、

プロジェクトやハンズオンの体験を通し、

日本語や日本文化を学ぶ学校です。

 


子どものエンゲージレベルが高いほど知識や知恵はその子自身のものとなる

一昨日は、

最後の授業ということで、

私の担当した小学校高学年のクラスは、

謎々大会をしましたよ。

 

まずは、いくつかサンプルを読み、

皆で、考えてみます。

 

例えば、

・花の蜜が大好きでひらひら飛ぶ虫は何?

・ひっくり返すと軽くなる動物は何?

・カメとラクダとサイが買い物に行きます。何を買いますか?

などなど。

←皆、英語が母国語で、

日本語をほとんど話せない子もいますから、

こうした問題も難しいです。

 

ヒラヒラと、シュー、パタパタ、ビューってどう違う?

「ひっくり返る」ってどういうこと?

そうひとつひとつの言葉の意味を、

動いて身体を使って探ってみたり、

「カメラください」のカタカナとひらがなの用い方の違いを話し合ったりします。

 

そうして、

皆で、「あー、そっかあー」体験した後、

ペアになって謎々を作りました。

そして、皆の前で、発表。

 

・赤だと進んで、緑だと止まらなければいけないものは何?

←「日本語の信号は緑を青というのは変!」と

以前のクラスで話し合っていた子たち。

「みんなも知ってるように、日本語だとうまくいかないけれど」と前置きしながら。

答え:「スイカ」

 

・暑い日に熱い火の傍で読む本は、どんな本? 

←貝は貝でもお風呂に入っている貝は何?(答:あったかい)

といったサンプルの「言葉遊び謎々」に感化された子たちが、 

熱い・暑い・厚いという同義語に気づき、

とっても得意げに発表。

答え:「厚い本」

 

・5人の黒い服を着た人が大雨の中、教会から出てきました。

でも1人は全く濡れません。なぜですか?←英語の「リドル(なぞなぞ)」を訳したもの。

答:お棺に入っていたから。

皆で「お棺」という言葉を、初めて学びました。

「お棺に入っている人は、日本の文化だと白い服?」といった話にもなりましたよ。

 

こうして、

次から次へと作って、

発表してくれました。

 

そして

クラスの皆が出すなぞなぞを、

一番多く当てた人に賞品『ポッキー』。

やんややんやと盛り上がりました。

 

 


子どもは、頭と心が動くときに、

最もその知識や知恵が、

その子のものとなる、

そう改めて、実感し続けた1年でした。

 

頭と心が動くとき、

子どもたちは、最もエンゲージします。

子どもの「エンゲージ」レベルを観る大切さ、「アクティブな学習」であるほどその子自身のものとなる

子供の「エンゲージレベル」を高めるカリキュラム作り、 これまでが今へ、そしてこれからへ 

心も頭も活発に働く「学び空間」を築く&冬休みにこんな工作やゲームはどうでしょう?

 

 

 

そのためには、

「話し合う」「自分たちで作る」「作ったものをシェアする」「フィードバックをもらう」

といった過程が大切です。

それらに必要な知識や技術を培い、

そうした過程をサポートしていくのが大人の役割なのでしょうね。

 

子どもたちの頭と心が活発に動き、

前のめりで探究し始める場。

 

私自身、

そうした環境を築くために力を注いでいくこと、

そのやりがいと喜びをかみしめ続けた1年間でした。

 

「アクティブ・ラーニング」についての記事:

・家庭で実践!子供の主体性が育つアクティブラーニング

『オールアバウト』寄稿:家庭で実践!子供の主体性が育つアクティブラーニング&街を創る人々を身近に感じる

 

 

講堂では、

一足早い七夕。

願い事を書いて、くくりました。

最後に、七夕の歌を、

保護者の生のピアノ演奏にのって歌いましたよ。

 

 

 

 

勤務先の学校が設立された経緯と今の日本の教育システム

昨日は、学校スタッフと打ち上げランチでした。

そこで、この学校の歴史について、

設立当初からのスタッフの方々が話してくださいました。

 

日本の教科書にのっとり、先生が講義をするといった授業スタイルで、

学校内でのマナーにも厳しく、

読み書きドリルの宿題もたっぷりといった、

より「伝統的な学校方針を掲げる日本人学校」が近隣にあるのですが、

勤務先の学校は、

元々は、その学校から分派したんです。

 

その「伝統的な日本人学校」に、

どうしてもフィットしない子たちがいる。

毎朝、何人もの子が泣いて「行きたくない」というのを、

引きずるようにして連れてくる親たちがいる。

そうして、日本語を学ぶ意欲も底を這うようになり、

自信も失い、日本語を口にするのさえ嫌になってしまう子たち。

 

「そうした子たちの受け入れ先が、どうしても必要」

そう立ち上がった保護者や先生方が、

2003年に、この学校を作ったんですね。

「日本の伝統的な学校スタイル」の特徴って例えば何でしょう?「そうしたスタイル」に合わない子が伸びていく場とは?「プログレッシブ教育」トレーニング始まりました

 

設立までのたくさんの葛藤や障害について、

みなさんが、懐かしそうに話してくださいました。

 

そうして今では、この勤務先の学校、

この近辺に暮らす日本語教育に関心をもたれるご家庭が、

「この子には、もしくは、我が家の方針には、

こちらの方が合ってるから」と選択できる「オプション」として、

地元に、根づいています。

 

 

そして、思います。

これって、まさしく今の日本の教育システムでも、

見られる現象ですよね、と。

 

伝統的な学校にフィットしない子たち。

「行きたくない」と泣く子を何とか学校まで連れてくる親たち。

そうして学ぶ意欲も底を這うようになり、

自信も失い、勉強というものが嫌になってしまう子たち…。

 

ここでは、

今の勤務先のようなオプションが設立されましたが、

では、日本で行き場を失う子たちは、

どうしたらいいのでしょう。

 

伝統的メインの学校以外のオプションが、

もっとメジャーになるといいですよね。

 

「不登校」というレッテルでなく、

「自分はこっちの方が合ってるから」と、

より前向きに、

フリースクールやホームスクールなどのオプションを、

「選択」できるようになること。

そして、自ら選択した場で、仲間に囲まれ、

より生き生きと探究できるようになること。

そうなることで、

どれほど救われる子たちがいるかを思います。

 

 

 

この学校のスタッフに加えていただけたこと、

心より、感謝しています。

 

学んだことを、少しでも生かしていけますよう、

私自身、精進していきます。

 

伝統的な教育環境にフィットしない子についての記事:

朝日デジタルの記事に思う、多様な学習スタイルを選べる教育システムでは「不登校」なんて存在しない

「ちきりん『学校は不利な人をより不利にする場所』 イケハヤ『まだ不登校で消耗してるの?」について思う

精神科医清水將之氏へのインタビュー記事、「不登校」とは今の学校が「おかしいと疑問を持つ子が割りを喰っている」状態という指摘に納得

『ひといちばい敏感な子』を訳した明橋氏が訳書の冒頭に書かれている言葉に思うこと

「ハイリーセンシティブチャイルドにとって完璧な学校とは?」HSCを育てる世界中の親御さん達が描く理想

京都での「ギフテッド応援隊」の集まりに思う「通常の学校にフィットしない子」が伸びる場とは?

 

 

 

 

来週は勤務最終日。

学芸会とポトラックです。

1年間過ごした生徒さんたちとの別れ、

切なさが胸に迫まります。

1年してこちらに戻ってきたら、

きっと皆、一回りも二回りも大きくなっているでしょうね。

その姿を楽しみにしています。

                                                                                                                                         

 

 

 

 

 

長男の彼女ちゃんのお母さんが、

三女と次男にくださったシャボン玉づくり棒。

 

パーティー会場の庭でも、一緒にシャボン玉飛ばして遊んでくださいました。

湖のほとりで、枝を拾い、彼女ちゃんと作ったのだそうです。

お母さんの本業は医師ですが、

同時に、自宅に窯を持つほどのガラス細工職人さんでもあります。

手作りビー玉が素敵。

 

 

さて、引っ越しまで1か月を切り、

こちらの賃貸先も、東京の住居も決まり、

国をこえての大移動、最終段階に突入です。

 

みなさん、温もり溢れる日々を!


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