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「天才児」研究でも言及「空間認識力とは学校では見過ごされるけれど実は人が持つ最大の未開拓な潜在力」?

2017年04月18日 | 空間認識力

先日こちらにて

昨年話題になった研究「早い時期から突出した才能を示す子=天才児?に大切な8つのこと」は、結局どんな子にとっても大切ですよね

紹介した科学雑誌『Nature』の記事「How to raise a genius: lessons from a 45-year study of super-smart children(天才をどう育てるか:45年間の超賢い子どもの研究からのレッスン)」

の中で、「空間認識力(Spatial Ability)」について言及されています。

 

 

「早い内から飛びぬけた結果を示す子の中でも、

特に空間認識力が高い子ほど、

その後様々な分野で、突出した成果を生む」んだそうです。

 

 

今日は、この「空間認識力」について、改めてみてみましょう!

 

 

空間認識力とは人が持つ最大の未開拓な潜在力?

去年9月の『Nature』にその研究の解説が載せられた

「The Study of Mathematically Precocious Youth (SMPY):数学的に早熟な若者の研究」チームは、

1976年に、大学進学審査に用いられるSATの数学テストで、

「トップ0.5パーセンタイル」のスコアを出した13歳の生徒563人の空間認識力をはかり

18、23、33、48歳時と追跡調査したそうです。

 

「空間認識力をはかり」とは、

例えば、他の視点からみた物体同士を合わせる、

特定の方法で切った場合物体がどのように見えるかや、

様々な形の傾いたボトルの水量を当てるなどだそうです。

 

すると、空間認識力が、

創造性と技術的な革新に大きな役割を果たすと分かったとのこと。

 

数学的言語的に能力が際立った生徒の中でも、

同時に空間認識力が高い生徒のみが、

しばしば飛びぬけたエンジニアや、建築家や、外科医になったといいます。

 

研究を率いたLubinski氏曰く、

空間認識力とは、

人が持つ最大の未開拓な潜在力なのじゃないかと思います。

ところがですね、私の知っている大学審査に関わる人々の誰も、

この能力について考慮することはないんですよね。

そして学校のテストなどでも、一般的に見過ごされているんです」とのこと。

 

 


通常の学校環境では見過ごされている「空間認識力」

以上の研究は、

数学や言語能力で優れている上に、空間認識力が強い例についてですが、

「学校で見過ごされている」ということについては、

娘の1人が以前受けた「認知テスト」の結果に、

「空間認識力などの非言語論理展開能力が偏って強い場合は、

学校の成績に繋がらない場合がある」と書かれていたのを思い出します。

一筋縄ではくくれない「賢さ」を持つ子供達、凸凹と共に生きていくということ

 

これは、言語面の読み書きが弱い一方、空間認識力に優れる場合が多いという

ディスレクシアの人々もまさしくそうですよね。

周りが思いもよらなかったようなユニークなアイデアを思いついたり、

建築面や航空分野に強くなるともされています。

 

「ディスレクシアの人々の強み」については、

こちらに『Scientific American』の記事を紹介してあります。

・ディスレクシアの強み、我が家を振り返って

 

 

 


「空間認識力」って、鍛えられるんですよね

こうした今の教育現場ではほとんど認められてはいないものの、

実は科学や数学分野でも成功への鍵ともされるこの「空間認識力」。

 

生物人類学者グエン・デワー氏は、こちらの記事にて、

「空間認識力って鍛えることができると多くの研究が示してるんですよ」

としています。

 

デワー氏曰く、

「子どもには、生のデータが必要です。

形やモノの表面を触って感じ、『実地・実践・直接参加(hands-on)』で、

モノを探索する必要があるんです。」

 

また「9ヶ月までに、乳児の空間認識力に差が出ることが分かっています。

メンタルに回転させる能力にすぐれた乳児は、

モノを触り探索するということに、より時間をかけた子なのです。

他の実験も、hands-on体験が、

乳幼児の空間を通して物体を捉える能力を改善すると示しています」とのこと。

 

 

 

こちらにも、空間認識力の男女間の差や、他にも様々な研究や、鍛え方等をまとめてあります:

http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/8210455885e4d4817e5b72fbd2ea8e41


またこちらは、それらをコンパクトにまとめたものです:

『オールアバウト』数学や科学に強くなる!子供の空間認識力を高める方法

興味のある方、是非どうぞ!

 

 

 

教育現場でも、机上の平面プリントだけでなく、

実際にモノを触って探索したり、

工作など何かを「作〔創)ったり」という機会がもっと取り入れられるといいですよね。

それが、ひょっとして、「人がもつ最大の未開拓な可能性」を、掘り起こすことになるのかもしれません!

『虹色教室』のブロック講座とか日々のレッスンとか、ホンと参加したいですよ)

 

また、「空間認識力」の大切さがもっと考慮されるようになり、

たとえ学校の成績が凸凹でも、

創造的にモノを操る力を持った子達が、より認められるようになったらいいですよね。

 

いいですよねいいですよねと、希望は膨らみますが、

私にできることを、こつこつとしていけたらなと思ってます! 

 

 

さて、今日はワシントンDCに出かけてきます。

みなさん、ポカポカな春の日を!


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