昨日、久しぶりに歌舞伎を観に行った。
演目は「髪結新三」と「かさね」。
今、三部制なので、朝早くは起きられないし、夜遅く帰るのは嫌だしというのもあり、2時15分からのにした。
「髪結新三」は誘拐話。
うまく大店の娘お熊を誘拐した新三が、さらに上手をいく大家に上前をはねられてしまう。
この大家が曲者で、娘を返してもらいに来た親分原七に30両で手を打たすというが、結局、15両と店賃2両、ついでに初カツオ半身を、新三から奪い取ってしまう。
新三は親分源七の悪口雑言。それを聞いた源七は、、閻魔堂前の富岡橋で新三を殺してしまう。
新三に三津五郎、源七に橋之助、お熊に児太郎クン、という配役。
児太郎クンももう娘役をやる年になったのか。声がまだ定まらないような気がして、ちょっと聞きづらくもあるが、「ぴんとこな」をみているので、御曹司(福助さまの長男)はすぐにいい役がつくという(もちろんちゃんと稽古をつんで)彼を、今後はどのように育つか観ていくのが面白い。
新三の手下は勘九郎クン。細かい芸が舞台を膨らます。
かさね
これは福助様と橋之助様の兄弟コンビ。
かさねに福助様、その恋い焦がれる相手、与右衛門に橋之助様。
奥女中かさねは与右衛門の子を宿してしまい、そのまま奥女中をやめたいと思っているほど、恋い焦がれている。
しかし実は与右衛門は、かさねの父を殺し、母とも不義密通をした男。
何の因果か、かさねが与右衛門を誘っているときに、どくろが流れてくる。
それはかさねの父だtった。
そしてすべてを知ったかさねは、その怨霊のために片方の顔がみにくくなってしまい、歩き方までおかしくなってしまう。
しかしそれを知らず、その恐ろしい顔で与右衛門を追っていく。
髪はみだれ、長じゅばんはもみじの模様が血にもみえ、恐ろしい恰好になっている。
思いあまった与右衛門は父を殺したのと同じ鎌でかさねを殺してしまう。
柳の木の下に寄り掛かるように立つかさね。
よくある幽霊の図のように見える。
右半分が美しい顔で左半分が醜い形相。かさねの憐れさ、はかなさ、悔しさがその両方にあらわされているようだった。
暑い日にはぴったりの幽霊話。
でも外へ出ても、あまり涼しくはなっていなかった。
久しぶりの歌舞伎。
やはりいい。別世界へ連れて行ってくれるから。
暑かったけれど充実した一日だった。
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