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まいぱん日記

身近なあれこれ、植物のことなど

ちょうど一年後の3月24日に

2019年03月26日 | ロシア

最近ものやひとの名前が出てこない症状が進んでいます

以前はそんなとき、友人のOさんのエピソードを思い出しては自分をなぐさめたものです。

Oさんが二人の知人を紹介しようとして「この方は」とまでいったけど、名前が思い出せない。それでもうひとりの方の方を先にしようと「こちらは」といったけど、やっぱり思い出せなかった。それで困ってしまった。

それを聞いてから、私はものの名前を思い出せなくても、その度に「Oさんよりましだわ」と自分をなぐさめてきたのでした。(そのOさんが頭がすっきりしなくて困ってしまった時に飲んでみたら、驚くばかりに効いたというDHAのサプリ。Oさんがそれをずっと飲んでいると聞いて、私もまねっこして、いまだに飲みつづけています。)

当時Oさんは大学でロシア語教師をしながら、ロシアの自分が傾倒する作家への熱い思いとともに日本一と評される翻訳の仕事にはげみ、20冊にはなるだろうすぐれた翻訳書を世に送り出しました。

飲むサプリは同じでも私のぐずぶりは今でも治りませんね さらにもう最近では紹介する二人の名前を思い出せないOさんのエピソードではなぐさめられないほどの物忘れぶりなのです。

そのOさんはロシア文学とそれを生み出したロシアの地への熱い思いをもったまま、亡くなってしまいました。去年の3月24日のことです。数年間のすべてといっていいほどの力を注いだ分厚い『プリーシヴィンの日記』(成文社)ができあがり、お家に届けられたのは、

Oさんが病院へいく途中に町中で倒れ、意識不明になって病院へ運ばれたその日でした。そのまま数十日後に亡くなってしまったので、あれほど待ちわびていた本を見ることはありませんでした。

亡くなった数日後、斎場への道路沿いの桜は満々開でした。

あれから一年後の一昨日3月24日にOさんこと、「太田正一さんを偲ぶ会」が催されました。

会場の廊下の窓から下をのぞくと、外堀沿いで桜がひっそりと開きはじめていました。

コメント (5)
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