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fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

春の花

2021年03月14日 | 自然観察
 ちょっと外に出ない間に、春の花が咲いていました。
  木蓮 もう少し。

 生命力を感じます。
 
  我が家の杏。この写真は数日前。今は満開です。電線があるのと庭が狭いので、二年に一度くらいはかなり枝を伐っています。これ、伐らずにいたら、見事な木になってるだろうな。うちの木だからわかるけど、梅との見分けはぱっとできません。外を歩いていて、あ、杏だと思うことなく、みんな梅と思ってますから・・。枝ぶりが違うんですけどね。

10作目

2021年03月13日 | 自作紹介
       
 『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』は、デビューして10作目の単行本になります。10作は、ひとつの節目。
 作家仲間、編集者さん、営業の方、取り次ぎ、書店さん、印刷所、デザイナーさん、画家さん、日本中に配送してくださる運送会社さん、何より読んでくださった方。たくさんの方の支えでここまで来ることができました。
 心からお礼を申し上げます。
 もちろん、まだまだです。100冊以上出してらっしゃる作家さん、たくさんいらっしゃる。でもまあ、そういう方と比較するのではなく、自分なりにこれからもやっていきたいです。 
     未来屋書店多賀城店様
 こんなふうに、書店さんで大きく展開していただいたのは、初めてです。
 人間には欲があって、重版にならないかな? ばーっと売れないかなとも思ってしまいます。弱いですね。ただ、そうなることが編集さんや営業さんが喜んでくれるだろうとも思うからです。
 でも、日々書くだけです。
 引き続き、よろしくお願いいたします。

平凡な日常が始まることに感謝します。

2021年03月12日 | 日記
            岩手県陸前高田市では、10年前7万本の松の木が流されました。その木で作られた数珠です。
 松の木は、薪にする計画もあったのですが、表皮から放射能が検出され、中止となりました。数珠は芯で作るため、大丈夫と判断されたそうです。

 昨日は一日中、何度も津波の映像を見て(しかも、これまで見たことのないものもあった)、それが頭に残っています。残っていていいのです。こうして平凡な一日をまた始められることに、感謝します。

10年目の3・11

2021年03月11日 | 日記
 10年が経ちました。
 まだ見つかってない方が2000人以上いらっしゃいます。
 亡くなられた方は、15000人以上。
 今年になって見つかった方も。
 
 被災地のオンラインツアーとかあるようですが、コロナの緊急事態宣言が解除になったら、ぜひ実際に訪れていただきたいです。数年前にうみねこ号というバスツアーがあったんですが、あれよかったなあ。私は福島に行ったことがないけど、一人で行ってもよくわからないので、ツアーがあると申し込みたいのです。あっちは、車がないと厳しいですからね。
 よく知っている岩手の場合も、新幹線が通っている内陸は行きやすいんです。そこからはのんびり在来線の旅を楽しむつもりで出かけたらと思います。釜石線とか、大船渡と一関間もあります。SL銀河号もあります。
 今沿岸に作られている防潮堤を見たときは、なんとも言えない気持ちになりました。海と暮らしの場が、遮断されているんですよね。でもあれも、見ていただきたい。

  2012年7月撮影の一本松。この後枯れてしまい、今はレプリカです。一本松と書いただけで、陸前高田とわかっていただけるでしょうか。陸前高田とだけ書いて、岩手県とわかっていただけるでしょうか。ふと思い、加筆します。私自身が九州や四国のことを○○県から書いていただかないと、わからないからです。

  同日。陸前高田市にて。

 たくさんの方に「がんばってください」と言われ続けた羽生弓弦選手が、被災地の方に、その言葉の重さを知った上で「がんばってください」と言ってらっしゃいました。日々が続いている中で、変わらずにあるものと、変わっていくものがある。それは被災地でもそうじゃないところでも一緒。その中で脚を踏ん張って生きている人がいることは、同じです。
 きょうは一日、あの日に思いを馳せます。大事な一日です。
 

銅販画家おのかつこさんのHP

2021年03月10日 | 日記
 おのかつこさんは、主に銅版画を制作してらっしゃいます。
 何年も前に国立で個展を拝見していらいのファンです。

 私の作品をHPで、ご紹介くださいました。→こちら 
 2019年、一年間、雑誌「児童文芸」の表紙を描かれてもいらっしゃいます。

 『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』そして、『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)も!

 ありがとうございます!! 
 HPに出ている絵、とてもいいので、ぜひご覧ください。
 銅版画はとても大変な工程だと思いますが、モノクロで繊細な表現がされていて、大好きです。
 おのさん、絵本の出版も決まったとのこと。楽しみです!! 

予想外に多い「これが一番好き」という声の本~『ジャンプして、雪をつかめ!』

2021年03月09日 | 自作紹介
 
 ちょっと驚いているんです。
 知り合いの範囲ではあるんですが(つまり、これまでの私の著作を全部読んでくださっている)、『ジャンプして、雪をつかめ!』が一番好きという方が、何人もいらして。ありがたいです。かなり意外でもあります。
     
 飯田朋子さんが、ご自身のブログで、おすすめ本としてご紹介くださっています。子ども達に絵や工作を教えてらっしゃる方(児童文学作家です)。ありがとうございます。
 雪の表紙なので、そろそろ店頭からは消えるかもしれませんが、内容的には後半は夏の話です。引き続きよろしくお願いいたします。
 
 

私なりに、震災を描いた作品~「オオカミのお札(三)美咲が感じた光」

2021年03月08日 | 自作紹介
 311が近づいています。 
 先日、『オオカミのお札(三)美咲が感じた光』を読み返しました。
 主人公美咲は、幼い頃、両親が離婚し、母と東京西部の母の実家に引っ越してきました。生まれ育ったのは岩手の沿岸部。父と姉はその町に残りました。そして、2011年。その日がきます。3月15日は姉の結婚式のため、岩手へ行くことになっていました。ところが・・・。
 その後、母と二人で流された町へ行きますが、この様子は私が3月末に訪れたときのことを元にしています。5月に再訪したときも。
 被災者ではない。でもあの日わたしは岩手の内陸にいて、ひとりでその時もその後も過ごしました。高速道路を降りて沿岸部に向かう自衛隊や警察車両がそれまで聞いたことのない大音量のサイレンを鳴らしながら、沿岸部へ次々と向かいます。大変なことが起こっている! どうなるのか。
 沿岸部の親戚とは連絡がとれず、生死も一週間わかりませんでした。

             

 『オオカミのお札』は三冊シリーズですが、(一)から読まなくても、大丈夫。このシリーズは、第42回児童文芸家協会賞を受賞しました。
 仙台文学館では、震災図書として展示してくださっているとのこと。ぜひ、読んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
 

ジーパンは、古い。Gパンは、もっと古い。

2021年03月05日 | 日記
 先日校正がもどってきた原稿に、Gパンが、「ジーパン」に直されていました。
 調べると、Gパンは、GIパンツの略。戦後のGIがはいていたことから来る言葉とのこと。間違いじゃないけど、古すぎるってことなんだ・・。ツイッターでつぶやいたら、「デニム」でしょう。という反応がありました。特に女の子だったらデニム。なるほど、デニムパンツとかね。
 でも、その後編集者さんから、今の小学生はあまりジーパンをはいてないようです。夏の描写だし、「ハーフパンツ」にしませんか? とご提案いただき、そうなりました。
 その作品は、それで決着したんですが、今書いている別作品で、また迷って。
 夏じゃないので、ハーフパンツじゃないほうがいいし。男の子だけど、女子の視点だからデニムパンツにしようかなと思ったり。いや、そもそも、だったら、今小学生男子がはく長いズボンはなんてんだ? チノパンはどうなの? 古いの? とわからなくなり、調べると、「ジョガーパンツ」というのも出てきます。ジョギングのときにはく、(でもジャージとは違う?)パンツのようです。
 で、そっちは、まだ迷っています。ただ、脚にしようかなとか(そのシーンは、「ジーパンの脚」だったので、なんとか脚で通じる)。
 あと、女の子だったら、レギンスパンツとか? これはぴっちぴちなんですよね。 
 ツイッターでいろいろ教えていただけたんですが、スキニーとかシェフパンツとか、初耳のものもあって・・。でも中三の娘さん、ズボンっていってますという方もいたし。
 その作品の子どもの雰囲気とかで、使い分けるようかな。
 カーゴパンツってのも出た。流行最先端はすぐに古くなるので、使わないほうがいいですしね。チノパンが、すでに古いようです。パンツだけだと、下着になるし。こんなことで悩む・・。

  半月くらい前の虹です。

 

『サイコーの通知表』工藤純子(講談社)

2021年03月04日 | 本の紹介
           

 四年生の朝陽(あさひ)は、通知表が全部、三段階の「できる」だ。「よくできる」も「もうすこし」もない。真ん中の「できる」の列に、ずらっと丸が並んでいる。
 同級生の大河には、「なんだ、つまんねえ」「ふつうじゃん」と言われる。
 大河は、体育だけが「よくできる」で、あとは「できる」と「もうすこし」ばかり。「もうすこし」が増えたせいで、クリスマスプレゼントのランクを落とされ、お年玉の金額も減らされたという。
 三学期の始業式、そんな通知表をもどすときに、担任のハシケン先生が、朝陽のためいきに気づく。
 そこから、通知表談義(?)が始まる。ハシケン先生は、「あせることない。一人一人個性があるように、早く能力を発揮する子もいれば、遅い子もいる。だから通知表なんて、気にしなくていい」なんて言うけれど、そうはいかない。
 優等生の叶希(とき)ちゃんも加わって、その後「先生の通知表をつけよう」という展開になる。

 さて、どうなるかは、読んでいただきたい。
 私が小学生のとき、通知表は5段階だったからねえ。1、2、3、4,5。で、どうだったかって・・。実はよく覚えていない。1や2はさすがになかったと思うし、家で勉強するようになって、成績があがったのは、5か6年のころだったから、そのころは、5もあったかな。じゃあ、その前は3とかだったかな。そーっと開いていたっていう記憶はあるけど・・。
 娘や息子のときは、どうだったかな。もう、「できる」とか「できない」とか、そんなだったかな。これすらよく覚えていない。
 そう思うと、あまり意味がないってこと?
 じゃあ、通知表はいらないかっていうと、そういうことでもない。

 ハシケン先生は、正直に自分の弱みを子どもに見せて、とてもいい。じゃあ、先生が全部「よくできる」かといえば、そうでもない。そこが、大事なんだと思う。というか、朝陽達が、評価されたことを、そのままにするだけじゃなく「考えた」ってことが大事(という物語にしている工藤さんがすごいってことなんだけど笑)。
 一人の先生が30人以上の子の、いろいろな才能に評価をするって、難しいことだ。
 何十年か後、通知表はどうなっているだろう。

 工藤さんは、こうして学校の中の現実の問題を子どもの気持ちで描いた作品を発表している。かと思うと『リトル☆バレリーナ』や『プティ・パティエール』シリーズ他、きらきら系も、たくさん書いてる人気作家だ。すごいと思う。プロ! なんだな。

ケーキ作り・・というにはちょっと恥ずかしいですが

2021年03月03日 | 日記
       
 
 一日に一回は、何か甘いものが食べたくなります。スーパーでチョコやよもぎ餅など買ってくることが多いのですが、最近これにはまりました。
 見た目悪くてすみません。
 パウンドケーキミックスに卵、バター、牛乳を少し混ぜ、焼くだけです。以前作った柚子ジャムを入れているので、これがなかなかいい味を出してくれます。上にアーモンドスライスを散らすと、見た目もう少しよくなるし、味もアップなんですが、きょうはなかったので、パス。

 パウンドケーキって、普通台形の底の深い型で焼きますよね。でもあれだと、時間はかかるし、中の方は生で表面が焦げるなんてことにもなります。そこで、私は、今回、

  
 なんと、クッキングシートを敷いた上に、ただ流し入れて焼きました。
 OK。前回は、お弁当などに入れるアルミカップでやったのですが、こっちのほうが、ずっとラク。

 自分が食べるだけなので。お菓子作りが趣味の方からしたら、なんじゃ、これ。かな。
 
 ただ、思ったのは、これが小説に置き換えた場合、自分で楽しむだけならいいけど、人にお金を出してもらって読んでもらうのに、これじゃあだめ。もっと見た目と味にこだわらなくては。それがプロってものですね。

 柚子ジャムは、これで使い切ったので、次は来年。
 その前に、アプリコットジャムを毎年作るので、あれでもやってみましょう。
 杏は、今つぼみがついています。

『あしたの幸福』いとうみく(理論社)

2021年03月02日 | 本の紹介
          

 『朔と新』で、野間児童文芸賞を受賞された、いとうみくさん、受賞後第一作です! 
  冒頭、父と二人暮らしだった雨音が、一人になるところから、物語は始まります。父が不慮の交通事故死をしてしまったからです。雨音を引き取る親戚はいません(伯母はとてもいい人なのですが、それができる状況ではありませんでした)。
 雨音は、一人で暮らしたいと言います。しかし、伯母は中学生の雨音にひとり暮らしなどさせられないと譲りません。そこにかかってきた一本の電話。
「おこまりでしたら、いっしょに住みますか?」
 幼い雨音を置いて家を出た、母でした。
 国吉さんというその女性と、不思議な同居生活が始まります。国吉さんは、電話での第一声から察せられるように、変わった人です。
 この二人のやりとりが、おもしろくて、少し悲しく、絶妙です。
 
 ストーリーも魅力的ですが、私はいとうみくさんの描写力に、引きこまれました。小説って、こういうもの。学ばなくては! という気持ちにもなりました。

 また、中で、一番「うんうん」と思ったのは、雨音が元担任の先生に、「お母さんに遠慮しているのか」ときかれたときに、考えたこと。遠慮なんて、パパにだってしていた。
 そうなんです。親子だったら遠慮がない、なんて、そんなことはないんです。人と人が一緒にいれば、お互いのことを思いやっていれば、そこに遠慮が生まれることがあるんです。これを言ったら、悲しいんじゃないかな、いやなんじゃないかな。そう考えるのが普通(そうじゃない人もいるけどね)。
 そして、ラストのほうで、雨音は、国吉さんのことを友人に悪く言うシーンもあるのですが、ここでは、「身内だから、甘えている」と言われるのです。身内だから、好きだから、悪口を言える。
 そんな微妙な心情が、あちこちでうまく書かれています。
 あれ、内容いろいろ書きすぎたかな。大丈夫です。この小説の良さは、読んでこそですから。
 いとうみくさんの作品、いつかドラマか映画になると思います。これ、予言ね(笑)。