川天使空間

work, write, and fish! __ >゜)))彡  

オオカミのお札1〜3 おおぎやなぎちか くもん出版

2017年09月09日 06時19分09秒 | 創作・本の紹介
おおぎやなぎちかさまの新刊が、同時に三巻発売されました。
青海の御嶽山に伝わるオオカミ信仰をモチーフにしたお話です。

第一巻「カヨが聞いた声」は江戸時代の物語。
カヨの家の裏山の祠の扉には、お札が貼られています。
お札には「武蔵国 大口真神 御嶽山」と書かれて御朱印が押され、
その下には牙をむきだしにした横向きのオオカミが描かれていました。
痘瘡が蔓延する小さな村で、カヨの妹ナツが痘瘡にかかります。
「大神さま、疱瘡神なんてやっつけて」とカヨは祈ります。
そしてナツは…

第二巻「正次が見た影」は第二次世界大戦の戦時下の物語。
双子の兄昌一は勉強ができて真面目なのに、正次は正反対。
体を動かすことだけは昌一に負けない正次は、大神さまの祠の隣にあるカヨの墓が気になっています。
ザザザザという木のざわめきは、カヨさんが何かを訴えていると父さんは言います。
敗戦濃厚になった頃、おじさんに続いて手の不自由な父さんにまで赤紙が来ます。
戦地に出向いたはずの大神さまに代わる石神さまに「うちを守ってください」と祈りますが…

第三巻「美咲が感じた光」は現代の物語。
美咲の大好きな正次じいちゃんに、食道癌がみつかり、美咲は大神さまにじいちゃんが良くなるようにとお願いしました。
じいちゃんは化学療法と放射線治療を受け退院し、岩手に離れて住むお姉ちゃんの結婚式に出ることになっていました。
じいちゃんと畑仕事をしていた三月の日、とつぜん体がぐわ〜んと揺れて…

三つの物語を読み終えて感じたのは、「見守るもの」の大いなる存在感でした。
読んでいる自分は主人公に成り代わり、それぞれの時代に生きていました。
まるで、時の流れをぐわんぐわんとのぼってきたような浮揚感。
それを確かに見守る、大神さま。
願いを叶えるわけでもなく、救うでもないのに、確かに見守っている…

なんだかまとまりがつかないのですが、今もまだゆさぶられている感じでドキドキしています。

おおぎやなぎさまのご活躍、すごいです。
このすばらしいご本が、多くの子どもの心を奪ってくださいますように!

ジジの検査値で落ちこんでいた気持ちが、本を読んでかき回されてすとんと落ちた。
本って、すごいな。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 療法食を食べようねジジ | トップ | 冷却ボウル有効利用 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (おおぎ)
2017-09-09 07:26:45
 敦子様。公私ともにお忙しい中、お読みいただいて、かつすばらしいレビューを書いてくださって、ありがとうございます。
 これは、「季節風」で育てていただいた話なので、嬉しいです。
 ジジちゃん、きっとお父様が見守ってくださっていますね。敦子さんも、お体お大事になさってください。
返信する
Unknown (敦子)
2017-09-09 11:53:41
おおぎさま>

ありがとうございます!
いやあ、またまたやられました。
ええ、あのお話が展開したんですね。
しかし、こうなろうとは。
読み終えたら憑きものが落ちたような気がします(笑)。
ははっ、今まで書いていたものを、今最初から書き直しています。
なにか、書きたくて書きたくて。
おおぎさまの物語の力、すごいパワー。
またすごいもの読ませてください!
返信する

コメントを投稿

創作・本の紹介」カテゴリの最新記事