fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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三河・蒲郡(「童子」春合宿)

2014年04月04日 | 日記

          三河湾に浮かぶ竹島

 当初参加予定ではなかったのですが、ぽっかりその数日が空いたのと、またしばらく忙しくなりそうな見通しもあり、リフレッシュのため出かけて来ました。

 行ってよかった!

 蒲郡なんて、(という言い方は失礼ながら)家族、あるいは友人と旅行しようかと思ったとしても、絶対候補に挙がらないだろう土地。行く前にネットで調べても正直これといった特徴があるようにも思えませんでした。ところが簡単に一回りできるこの竹島。行った日は、大潮、そして桜満開!

 10時過ぎに着いたときから、徐々に潮が引いていき、とうとう歩いて島へ渡ることもできました。(干潟が春の季語)忘れ潮には、磯巾着。やどかり。石蓴(あおさ)などなど。対岸には、昭和初期に建てられたゆかしいホテルを臨めます。蒲郡クラシックホテル、よかったです。私の部屋は海側ではなかったのですが、窓を開けたら裏山が、満開の桜! バスルームの白いタイルもクラシック。食事もおいしく、シルクハットの従業員の方もおられて。

  蒲郡クラシックホテル

 でも何よりよかったのが、句会。自分の俳句は相変わらずたいしたことなく、成績もふるいませんでしたが、すごくいい句会でした。愛って大事。(句会については、明日少し詳しく)


句歌集『今のうち』(文學の森)ー田代早苗

2014年04月03日 | 日記

           

 加古川市在住、「童子」の大先輩、田代早苗さんの第3句集であり、孫のもえちゃんとの合同句集でもあり、歌集でもあります。早苗さんは、波田野爽波(虚子の最後の弟子)さんのお弟子さんでもあった方、爽波先生が亡くなられたあと、辻桃子先生の元にこられたわけで、長い俳歴の集大成でもある句集です。

 百舌叫ぶ生きてゐるうち今のうち   早苗

 なにより、この一句にすべてがこめられています。百舌鳴くではなく、叫ぶ。

 私はいただいた句集を読むときは、好きな句に付箋を貼りながら読むのですが、早苗さんの句は、読み始めてすぐにその必要がないとわかりました。全ていいから! 上手だとか、すごいとか、もうそんなことを言うまでもない、そんな境地はとっくに超えてしまっています。

 句に命かけてどうする麦の秋

 辞世の句山ほど出来て年の暮

 短夜や混みあつてゐる美人の湯

 ひざ触れて酒のこぼるる裕明忌

 春の夜のつぎつぎ人の死ぬドラマ   早苗

 ここに揚げるため、パラパラとめくって目についた句です。他も全てすきなので、そういう選び方をしました。この5句を読んだだけでうかがえるように、早苗さんはもうご自身の命の終わりと向き合ってらっしゃいます。そんな早苗さんが、最近作っているのが、短歌。(入所されているホームのお友達と句会、歌会をやっているらしい)

 死ぬことの予行練習した筈が段取りだうり行きさうもなし   早苗

 私も以前短歌をやっていたからわかるのですが、どうしても短歌だと、感情を表に出しすぎ、言い過ぎになってしまいがち。この短歌は、俳句的だなあと思いました。ズンと胸に迫ってきました。

 そして早苗さんの俳人としての力は、孫のもえちゃんにすでに受け継がれています。3~4歳のまだ575になっていない頃からの言葉をこうして掬い取って、残してるってすばらしい。

 じてんしゃといっしょにおちたはるのどぶ

 ブランコにとうめいにんげんのっている   7~8才

 そうどすとまいこごっこのお正月  

 せんこうのにおいしみてるこのリンゴ   8~9才

 田植道おつちゃん五人大げんか   11~12才      もえ

 こんど中学生になるんだねえ。感想の手紙を出したら、もえちゃんからもお返事をいただいて、その文字のきれいさに、感心しまくりました。おばさん、字が下手でお恥ずかしい。

 少しまえ「ランドセル俳人」という句集を読みました。作者はいじめにあって不登校になっている小学生。商業ベースに乗って本を売るには、そういう背景が必要なのかなと、少し寂しい気持ちになったのですが、(句はいいのがたくさんあったのですよ)もえちゃんのは、ふつうの小学生たちが、うんうんと思える句。それでいて、大人でもこうは作れないよなという面もあります。早苗さんとの二人句会、もっともっとしてください。

 

 


国際アンデルセン賞

2014年04月02日 | 日記

 先週発表されたことですが、『守り人』シリーズ(偕成社)、『獣の奏者』などで知られる上橋菜穂子さんが、このたび国際アンデル賞を受賞されました。児童文学では、世界的にもっとも権威のある賞で、画家部門では安野光雅さん、赤羽末吉さんが授賞されていますが、読み物ではまどみちおさん以来とのこと。

 一度講演会を聞いたことがありますが、小柄ながらとてもパワフルな方だと感じました。現役の文化人類学の研究者(たぶん大学教授)でアボリジニの研究を長くされてらっしゃる方でもあります。描かれるのは、異世界ファンターですから、舞台となる世界を気候、政治、民族、その歴史と全てを1から創り出しているわけです。翻訳されたものは世界で読まれていたのですが、これからなお世界中で、バルサ(守人の主人公)やエリン(獣の奏者)が親しまれるのだろうと思うと、ゾクゾクします。← 児童文学をやっている方には周知の事ですが、このブログはふだん児童文学を読まれない方も多くいらっしゃるので、あえて書いています。

 授賞の言葉が紹介されていました。「多様な価値観、文化を持つ人々が葛藤しながら生きる姿を描きたい。さまざまな環境にいる世界の子供たちに、(私の物語が)明日に向かって歩く力を与えてくれたらうれしい」……すばらしい。

 子どもの頃、おばあちゃんが語ってくれた話が原点であるともおっしゃっていました。ホント、子どもの頃に吸収したものっていうのは、身になるだなあ。(どこの言葉だ)

 異世界ファンタジー、生きている間に一作くらい書きたいというのが夢なのですが……。もっと政治や世界の歴史を勉強しないとダメだな。

 上橋さん、「生まれ落ちた世界で一生懸命生きる人々を書いて来た」ともおっしゃっています。人は生まれる場所や親を選べない。でも人や世界を変える力を持つ場合もある。バルサのかっこよさったら、ないですからね。(30代女性、用心棒)

   雪柳


岩手の銀行の駐車場

2014年04月01日 | 日記

        屋根があるのは、一部分

 冬の間中、きっと朝一、行員そろって雪掻きをしていたのだろうなと思いました。それから、岩手の銀行って、東京の銀行との違い、トイレがあるのですよ。(東京の銀行は防犯上のことだと思うのですが、トイレがないですよね)