fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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もしも侵略されそうになったら

2022年03月28日 | 日記
  今、ロシアがウクライナを攻めて、占領しようとしているニュースを見ていて、どうしても思い出すのが、
『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』を書いていたときのことです。

      

 今から1000年以上昔。日本の中心は、奈良から京都。関東まではその勢力圏内でしたが、東北にはエミシという民が住んでいました。
 そのエミシの地を、中央政権は侵略します。城柵を築きながら北上し、多賀城はその拠点となりました。最初は周辺のエミシをもてなし、友好関係を築くそぶりもしましたが、結局は重い税を巻き上げていったのです。それに反抗しはじめたエミシとの戦いが35年戦争とも呼ばれています。
 そのもっとも有名なのが、アテルイが率いるエミシ軍と坂上田村麻呂率いる朝廷軍との戦いなのです。田村麻呂が征夷大将軍となる前には、エミシ軍が圧勝したこともあったのです。でも戦地となっているのはエミシの土地。焼き討ちにあい、多くの兵が命を落とし、アテルイはとうとう和睦を申し入れたのです。が、結局は大阪で斬首されました。
 
 ただ平和に暮らしていたエミシ。東北は金が採れる。馬も人手も手に入れられる。ということだったのです。
 抵抗しなかったエミシは、俘囚となり、奴隷のように使われました。
 抵抗しなくとも、抵抗しても、どちらもよい結果にはならない。どうするのが一番よかったのか。
 
 今のロシアは、いわば、当時の朝廷です。その後、東北は次第に日本という一つの国の中で同じ民となっているので、それでよい? でも当時の人々の苦しみを肯定するわけにはいきません。ウクライナもロシアの一部になれということです。
 田村麻呂は優秀な人物だったのでしょう。でも桓武天皇に仕えていた武将にすぎません。征夷大将軍の征夷は、蝦夷を征するということですから。
 悩みながら、エミシであるアテルイも、征夷大将軍である田村麻呂もどちらも平和を願っているという形で書きました。
 1000年前と今とのちがいは、規模。陰に生物化学兵器や核がちらついていること? 状況が全世界に広がっていること。でも戦地となっている民の苦しみは同じです。
 人類は歴史に学ばない という言葉がどこからか聞こえてきました。悲しいことです。

 日本は、北方領土をロシアにとられたまま。あそこを足がかりに日本を攻めてこないという保証はありません。そうなったら、日本は今のウクライナになる。そのとき、日本の政治家は、どう動くのか。いや、今どう動くのか。世界のトップと対等に渡り合える人材が必要です。

 


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