fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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俳諧は三尺の童にさせよ(三冊子)-松尾芭蕉

2012年07月11日 | 俳句

 巧者に病あり。師の詞にも、俳諧は三尺の童にさせよ、初心の句こそたのもしけれなどなど、たびたび云ひ出られしも、皆巧者の病を示されし也。 

 芭蕉は生前俳論を書いてはいません。死後弟子が生前の師の言葉を書き残す仕事をしたわけで、『三冊子(さんぞうし)』は、土芳によるものです。「俳諧は三尺の童にさせよ」。、三尺の童とは、小学校中学年くらいの子ども。大人になるとうまげに作ろうとする気持ちが働いてしまう、それではいけない、子どもが作る句を見習いなさいというわけです。この言葉から私が入っている会は「童子」と名付けられたし、先日行った句会の名の「三尺句会」も、それによるものです。

 こうもりの死がいをふんでしまつたよ
 しんせきの犬をあずかる夏休み
 あずかつた犬おとなしい夏休み
 みぞの中ばつた上手におよいでる
 ぼんの道かめの親子があるいてる

 ちぎつてはなげてみたいな夏の雲
 三日めの旅の終りはかみなりだ         田代 もえ 『童子』より

 田代もえちゃんは、『童子』の小学生会員です。今何年生なのかわかりませんが、注目しています。「ぼんの道」なんて言葉を使えるあたりは、おばあさまが田代早苗さんという俳人であるがゆえですね。今年の夏は、どんな俳句を作ってくれるでしょうか。 

らくらく俳句  『作ってみよう らくらく俳句』(偕成社)-辻桃子 これは子ども向けの俳句の本。子どもだけの句会実況も載っています。岡部りかさんの挿絵もかわいい!

 

 


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