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『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。
高学年以上
昨年の12月に発売になった本です。堀米さんは、12月には『モーモー村のおくりもの』も出されています。一月に2冊! すごいです。
『金色のキャベツ』も、また農家である堀米さんならではの作品です。主人公の風香は、塾や習い事に追われる都会の子。でも思い立って(というのとも違うか?)、田舎でキャベツを作っているおじさんのところへ出かけたことで、新しい世界が広がります。学生、研修生、外国人とたくさんの人たちが集まり、働いているキャベツ畑で、風香も段ボールの組み立てをやったり、キャベツを切ってみたり。そして、なにより新鮮でおいしい食べ物の数々。
真剣に働く人々、そして厳しい現実が風香の目を通してきっちりと描かれています。
金色に光る朝のキャベツ畑の美しい映像が見えるようです。でも田舎がいい、農業がいいという単純な話ではなく、東京にもどった風香には、スーパーに並んでいる野菜たちが、少し前まで自分がいた畑とつながっていることに気づくのです。そして野菜作りをするのは人間たち。その人間たちの佇まいがすばらしい作品でした。
読後、キャベツが食べたくなりました。手にしたキャベツを見て、これも畑にあったんだなと、手に重みを感じます。
堀米さんの世界の深さに、心打たれます。
巻末には、コールスローのレシピがあり、作って食べましたよ! レモンがなかったので、ユズで代用しましたが、おいしかったー。