fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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中川李枝子・宮崎駿特別対談(福音館書店主催ー「ぐりとぐら」生誕50周年記念)

2014年02月04日 | 日記

 「今を生きる子どもと親に伝えたいこと」という演題でした。

    当日のパンフレット、おみやげのメモ帳

 1日、千代田区一橋ホールで行われた中川李枝子さんと宮崎駿さんの対談を聴きに行ってきました。中川李枝子さんは、絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『いやいやえん』などの作者。宮崎駿さんは、中川さんのファンで、この対談が実現したということです。「となりのトトロ」のオープニングテーマ曲「さんぽ」の作詞が中川さんだったとは! 

 宮崎さんは、引退宣言後、公の場に出られるのが初めてだったらしく、会場には取材陣がたくさん訪れていました。『ぐりとぐら』が、最初に雑誌「母の友」に登場したのが1963年、50年前なのです。宮崎さんは、まだアニメーターを志望していたわけでもない学生の頃に、『ぐりとぐら』をアニメにしたいと思ったそうで、(ちなみにこれだけの人気の絵本ですが、まだアニメにはなっていません)、また『いやいやえん』について、多くを語っていました。アニメを作るときなど、つい「子どもの成長」などを描いてしまいがちだが、中川さんの本にはそれがなく、そこがすごい! 成長なしでいい、バカなままでいいのだということを、中川さんの作品は教えてくれる、と。

 対して中川さんは、もと保育者でいらしたわけで、とにかく子どもを喜ばせたい、びっくりさせることが好き。それで、当時は高級品だったカステラを、大きい卵で作るという発想だったそうです。

 お二人とも、真っ白な髪がとても美しく、自然な姿がいいなあと思いました。

 ちなみに1963年といえば、私はホントだったらもっとも「ぐりとぐら」などを読む(あるいは読んでもらう)のに適した年齢です。(あ、計算しなくていいです)でも、当時うちにはまったく絵本はなく、出会えなかった。あの幼稚園を止めたいと思っていた私がこういう本に出会っていたら、どんなふうに読んだだろうか、なんて思ってしまいました。幼稚園では、絵本読んでくれたのだろうか? 全く記憶がありません。幼稚園の先生が、地獄のことを話してくれたのだけは覚えている。キリスト教の幼稚園だったのに……。(それが悪いということではなく)

 私が本と出会ったのは、もっとあと。(たぶん)兄のものだった文学全集の『小公子』でした。その後、なぜか学校の図書室の本を借りるということがなく、ひたすら家にある親の本を読みまくり、買ってもらい、それがルパンやホームズ、江戸川乱歩だったというわけで。そこから海外ミステリーへ。徳川家康、吉川英治、松本清張の全集も家にはあり、そういうのをとばし読みしていたのでした。と、なぜか子ども時代の読書経験を思い返すことにつながった対談でもありました。世界文学全集もあったか。ドンキホーテや風と共に去りぬやジェインエアや……。芋づる式に思い出されますね。中川さん宮崎さんは、岩波少年少女文学全集を読まれていたようです。