学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

授業評価アンケートの愚かさ

2009-02-26 | 教育
授業者が,自らの授業を振り返るために
学習者の意見を聴取することはもちろん大切なことである。
そんなことなら,心ある授業者ならば,
大昔からやっていたし,
授業のなかでの学習者とのコミュニケーションを通じても
日々,授業というものは修正されていくものである。

ただし,昨今流行の「授業評価アンケート」は愚劣である。
生徒や学生に,どの授業も一律の質問紙とアンケート用紙を配って
集計するというあのアンケートである。

もしも,私が生徒や学生であった時代に
このようなアンケートが行われたら,
すいぶん当惑したことだろう。

私は,
教師を評価するなどというおこがましいことを
しようなどとは思わない世代に属する。
むしろ,「三尺下がって師の影を踏まず」と
言われるほうがしっくりくる。

私には恩師として敬愛する先生がいる。
その先生の評価を,
マークシートに記入するなどという浅ましいことを
考えただけでもぞっとする。

純粋な師弟関係は,
評価などを超越したところにある。

授業評価アンケートは,
そのような師弟関係が育まれる土壌を
まったく破壊するという意味においてのみ有効である。

思うに,
このようなものに価値ありとする文化には,
「師」は存在しないのであろう。