Cape Fear、in JAPAN

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映画スタッフ別10傑(35)ロジャー・コーマン

2021-10-19 04:18:42 | コラム
~ロジャー・コーマンのキャリア10傑~

本日より、プロデューサー篇に突入。

最初に登場させるべきは、やはりコーマンでしょう。

御年95、未だ健在。
生ける伝説といっていいひと。

スコセッシやコッポラ、ジョナサン・デミ、キャメロン、ロン・ハワードなど、のちに米映画界を牽引していくことになる「映画小僧たち」に映画制作を勧め、その手助けをした功績はとてつもなく大きい。

金は出す。
大金ではないけれど。
俳優も用意する。
有名どころじゃないけれど。

そのふたつでタイトな映画を創れ。
ときどき、暴力とハダカを入れてくれさえすれば、あとはどんなテーマで、どんな物語を展開してもいい。

映画小僧たちは、映画制作に集中することが出来た。
金以上に口を出すスタジオよりも、のびのびと撮ることが出来たはず。

ここいらへんは、本人の自伝『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか ロジャー・コーマン自伝』を参考にしてほしい。

抱腹絶倒、これほど痛快な自伝もないからね~。


※本人監督作も含む


(1)『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(60)

「ヒト喰い植物」をめぐるコメディで、コーマンが監督も務めた。

リメイクも良作だが、2日間で撮りあげたオリジナルの「まさに」オリジナリティには舌を巻く。



(2)『デス・レース2000年』(75)

「多くのヒトを殺したヤツが優勝」という、トンデモ・カーレース映画。

しかし、これがめっぽう面白いのだから困る。

映画は、このくらいの悪意がこめられたほうが健全なんだよ!!

※スライも出てくるよ



(3)『明日に処刑を…』(72)

スコセッシの商業デビュー作。


ちなみに。
ヒロインに起用されたバーバラ・ハーシーが、このころにスコセッシに薦めたのが小説『最後の誘惑』だった。


(4)『白昼の幻想』(67)

LSDの幻覚作用を、そのまんま映像化しようとした野心作。

脚本はジャック・ニコルソン、監督はコーマン。


(5)『原子怪獣と裸女』(56)

最終戦争後に生き残った7人の男女が、異形のモノに襲われるSFパニック。

映画監督という視点で捉えたとき、本作こそコーマンの最高傑作かもしれない。


(6)『ピラニア』(78)

『ジョーズ』(75)の世界的ヒットを受けて制作された亜流のなかで、おそらく最も出来のよい映画。

監督は、ジョー・ダンテ。


こういうのばかり観ていると、パクリだなんだと騒いでいる現代って、いかにこころが狭いのかと思ってしまうよ。
(作品研究や、正当な批判については展開されるべきだけどね!)


(7)『ワイルド・エンジェル』(66)

バイカー映画の元祖といったらコレ。

『イージー・ライダー』(69)の習作といえるのかもしれない、ピーター・フォンダ主演だし。


(8)『バニシングIN TURBO』(76)

ロン・ハワードの初監督作であり、主演も兼ねている。

これでもかとカークラッシュが描かれるが、それでも制作費は一般的なハリウッド映画の3分の1以下!!

コーマンは、別の業界でも成功したでしょうね。




(9)『血まみれギャングママ』(70)

実在した強盗団の母親、ケイト・バーカーをモデルとした犯罪劇。

ブルース・ダーン、若きデ・ニーロが好演している。


(10)『トレイシー・ローズの 美女とエイリアン』(88)

ある世代以上の男であれば誰でも知っているローズを素材に、ホラーにしてみました、、、という、タイトルどおりの珍作。

じつはそれほど面白いわけではないが、すでに巨匠になっていた80年代末でも「まったく変わらない」コーマンの精神に感動さえ覚える。

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明日のコラムは・・・

『需要と供給』
コメント
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