Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(33)近藤龍人

2021-10-05 00:10:00 | コラム
~近藤龍人のキャリア10傑~

自分より下の世代となる、76年生まれのテクニシャン・近藤龍人。

もっと若いころであれば「けっ!」とか思っていたかもしれない、
しかしいまは、素直にすげぇな、羨ましいなと思う。

多くの中堅監督に信頼され、映像構成を託されて。


(1)『桐島、部活やめるってよ』(2012)

クールな映像がつづき、いまっぽい、なにか冷めた学園生活が描かれるが、屋上のシーンに切り替わった途端、昔のジャンル映画のような色調へと変わる。



(2)『そこのみにて光輝く』(2014)

俳優たちの熱演、呉美保の的確な演出、そして原作者・佐藤泰志への言及は多かったが、
寒々しい、しかしほんのりと熱を帯びている映像に対して誰もなにもいってない。

この映画の成功の半分は、映像によるものなのに!!


(3)『鬼畜大宴会』(98)

撮影監督としてのデビュー作。

連合赤軍を背景にしてはいるものの、その設定だけを借りてスプラッターを展開した珍作。


大っ嫌いな映画だが、学生時代にこれを撮り切った熊切和嘉監督の才能は認めなければならないでしょう。


(4)『パーマネント野ばら』(2010)

吉田大八の映画としては、『桐島』より好き。

あまり知られていない作品だが、後半のある決着のつけかたに驚くひとは多いと思う。

必見。




(5)『マイ・バック・ページ』(2011)

批評家・川本三郎の回想録を山下敦弘が映画化、こういう野心作が正当に評価される世の中であってほしい。




(6)『横道世之介』(2013)

2010年代で最もひとにやさしい映画ではないか。

これを好きだという若い映画ファンが多いという事実に、納得納得。



(7)『万引き家族』(2018)

是枝裕和にも起用されたのだから、もう完全に波に乗っている状態ですよ。すごいな~。


(8)『ウルトラミラクルラブストーリー』(2009)

基本クールな近藤映像にあって、この映画だけは、とってもパワフルでコミカル。

新鮮でワクワクした。


(9)『天然コケッコー』(2007)

瑞々しい物語に、瑞々しい演出、そして、瑞々しい夏帆の存在感。



(10)『海炭市叙景』(2010)

初対面がサイアクだった熊切和嘉を、おおいに見直した傑作。

『そこのみにて光輝く』といい、佐藤泰志が紡ぐ物語の空気感をしっかり映像に置き換えられるのは、近藤龍人だけなのかもしれない。

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明日のコラムは・・・

『雰囲気入浴』
コメント
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