Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(395)

2021-10-30 03:00:01 | コラム
れー「す」→「す」かーふぇいす

男子はみんな大好き、スカーフェイス(scarface=傷、疵、瑕のある顔)とまでいったら語弊があるのかな。

でも大抵の男は好き。
自分の顔に傷を持ちたくはないが、それだけで過去を想像出来てしまえるビジュアルは映像や漫画の世界では有効だものね。

たとえばブラックジャック。


マスクで傷を隠す犬神佐清もそう。


フランケンシュタイン(によって生まれた怪物)は、出生そのものが「傷、とともにある」といっていいし、
映画で最も印象に残るのは『プラトーン』(86)のバーンズ(トム・ベレンジャー)かなぁ。


よいメイクだと思う。
兵隊時代のストーン監督が実際にからんだボスにも、おそらく傷があったんだろうね。


そんな想像力をかきたてることばをタイトルにした映画は、83年に発表された。

パチーノが演技過剰という批判をぶち壊すほどエネルギッシュに主人公トニー・モンタナを熱演、



共演に、まだ野暮ったさが残るミシェル・ファイファー。

監督は脂の乗り切ったデ・パルマが担当、脚本はオリバー・ストーン。

頂点にまでのぼりつめ、そこから一気に転落する破滅的な物語だが、やっぱり男子は好きなのよね。


32年のハワード・ホークス作品、『暗黒街の顔役』のリメイクということに「いちおう」なってはいるけれど、リアリティを強固にするため主人公をキューバ人に設定したりと改変項目が多く、比べてみると同じ題材を扱ったとは思えないのだよね、どっちも好きだけど。

変わらなかった点ももちろんあって、そのひとつがこれ。

オリジナル


リメイク



観たひとはニヤリと出来るはずだし、そう、このオブジェこそ『スカーフェイス』の精神であって核でもある。


自分ではとても真似の出来ないことを映画で疑似体験出来る。
あぁ、ささやかな自分の人生って、割といいかも? なんてことも思ったり。

そのためにも、あらゆる面で過剰なこういう映画だって必要なんです。


あすのしりとりは・・・
すかーふぇい「す」→「す」し。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(396)』
コメント (2)
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