Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(290)南田洋子

2021-10-23 05:44:45 | コラム
33年3月1日生まれ・2009年10月21日死去、享年76歳。
東京出身。

後半生は、旦那・長門裕之との関係性で注目されることが多かった南田洋子(みなみだ・ようこ)さん。


認知症であることの公表や、それらを映像に収めることの是非も議論されましたが、
芸能の世界で生きるとはこういうことだと、なんでも包み隠さず打ち明けていく夫妻のありかたは、ちょっと格好いいなぁ!とさえ思いますね。


※いま観ても抜群に面白い



<経歴>

水谷八重子に師事しつつ、5期ニューフェイスとして大映に入社。
(同期に若尾文子!)

映画俳優デビュー作は、52年の『美女と盗賊』。

翌年の『十代の性典』(53)に若尾文子とともに出演、これが好評を博し一気に知名度が広がる。

それにしても、なかなか攻めたタイトルですよね。すごくきちんとした映画ではあったのですが。



『近松物語』(54)、『楊貴妃』(55)。

大映から日活に移籍、その第1弾が『太陽の季節』(56)でした。
主演はのちに旦那になる長門裕之、
政治に手を出して以降の石原慎太郎はどうかと思いますが、この原作小説といい、映画や文学に与えた影響は計り知れないと思います。

『飢える魂』(56)、
左幸子と共演、自分は「断然」南田さん派だった『幕末太陽傳』(57)、
『美徳のよろめき』(57)、『今日に生きる』(59)、『海は狂っている』(59)。

『やくざの詩』(60)、『大草原の渡り鳥』(60)、『拳銃無頼帖 明日なき男』(60)、
イマヘイの最高傑作であろう『豚と軍艦』(61)、
『ろくでなし稼業』(61)、『赤い荒野』(61)、『伊豆の踊子』(63)、『青い山脈』(63)、『続・拝啓天皇陛下様』(64)、『ジャコ萬と鉄』(64)、『ならず者』(64)、『日本侠客伝』(64)、『いれずみ判官』(65)、『色ごと師春団治』(65)、『地獄の掟に明日はない』(66)、『智恵子抄』(67)、『博徒百人 任侠道』(69)
『花の高2トリオ 初恋時代』(75)、『日本の仁義』(77)、『ハウス』(77)、『ふりむけば愛』(78)。

80年代に入ると、映画以上にテレビで活動することが増えました。
ドラマはもちろん、『ミュージックフェア』(フジテレビ)の司会などもこなし、世代的に自分なんかは映画の南田さんを知る前に、まずはこっちだったかもしれません。

ほかの映画作品に・・・
『零戦燃ゆ』(84)、『星の牧場』(87)、『この愛の物語』(87)、
『リメインズ 美しき勇者たち』(90)、『雪のコンチェルト』(91)、『極道の妻たち 危険な賭け』(96)、『理由』(2004)、『ひいろ』(2007)。

2004年あたりから認知症の症状が出始め、徐々に芸能活動をセーブしていきます。
2009年10月17日―くも膜下出血により死去、享年76歳でした。

映画の遺作は『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』(2007)。



多くの映画関係者に愛されたひとだったらしいですが、
なにより、旦那さんにとことん愛されたことがファンにも伝わっているところがよいですよね~。

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明日のコラムは・・・

『じつは映画賞より当ててます!』
コメント (4)
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