masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

供給責任と経営難の狭間で

2015年08月05日 | ガソリンスタンド2

8月3日 ぜんせき

閉鎖物件を実証事業で再生(広島)

経産省の石油製品供給不安地域実証整備事業の一環として複合型SSとして2012年2月28日に全面オープンしたのが広島県安芸高田市美土町のふれあい市。
撤退したJA-SSの後を、JA-SSのOBが引き継いでいたが、設備の老朽化で閉鎖。
これにより同地域にはSSは1ヵ所もなくなり、近くのSSまで10数キロあり、地域住民にとって燃料確保が非常に困難になっていた。

こうしたことから経産省は同地区内のSSの維持のために複合型給油所実証整備事業として同地域を選定。
これに基づいて同地域の住民自治組織である生桑振興会が中心となって「ふれあい市」を設立し、SS運営とともに、食糧・日用品の販売店舗を建設した。

当初は普通の店舗形式であったが、2年後に「ヤマザキYショップ・ふれあい市」として再出発するとともに品揃えも拡充した。
「これによって地元の高齢者等は喜んでくれた」とし、「品揃えが増えたことで来店回数も多くなり、それにつれて売り上げも増えて来た」と話す。

しかし
若い人は町で買い物をしてくるケースが多いため、新しい客数としてはそれほど増えていない。またSSも人口減などによって販売量も減少傾向にあり、全般的にはかなり厳しい状況にあるが、なんとか生き残っていけるようにしていきたい」と、厳しい現状を乗り切る活路を模索する。


努力も限界、廃業も視野に(岡山)

岡山県北部の高梁市の外れの中井町でSSを運営しているのが丸山商店だ。
この地域には以前はSSが5カ所あったが、経営難や後継者不足などから相次いで閉鎖している。
ただ1ヵ所となった丸山商店では、改正消防法の期限関係で灯油と軽油の販売はできなくなり、ガソリンだけの販売となったときには、「妻と二人で細々とやっていく」と話していた。

だが、最近の考えは
「本当は売り上げの大きい灯油、軽油の販売をやりたかった。灯油、軽油のないガソリンだけのSSでは当然のことながら給油客も減ってくる。さらにJA-SSの低価格販売によるマージン低下で利益も激減しており、廃業も1つの手段として考えるようになってきた」と非常に厳しい状況下にあることから、やむなく廃業も考えるようになってきたことを打ち明ける。

もし廃業となればこの地域にはSSは1カ所もなくなることになってしまう。
これについて地元の人は「灯油や軽油の調達が難しくなっているうえ、ガソリンの販売もなくなると非常に不便」と、先行きの供給に対し大きな不安を抱いている様子だ。



改装で借入金、減販追い打ち(鳥取)

鳥取県の山間部・日野郡日南町に本拠を構える前田石油店社長は「ガソリンの販売量は減少傾向にあるうえ、軽油は公共工事も少なく、悪い状況が続いている。さらに安値販売する業者の影響もあって全般的にはかなり厳しい状況にある」と説明しながら、「店舗改装の借入金の返済もあり、営業時間の延長なども行ってはいるがあまり効果は出ていない。でもなんとか頑張ってやっていきたい」と、SSの維持へ向けて全力を傾ける。


限られた顧客に工夫で対応(広島)

瀬戸内海に浮かぶ島の1つ、倉橋町でSSを運営しているきど石油店(JX系)では、「昨年は販売量がガタ落ちし、今年もそのままの悪い状況で推移しているが、さらに困るのが低価格販売する業者の存在。顧客を確保して販売量を増やそうとするのが狙いだろうが、当社としても全く無視するわけにもいかず、利益面ではかなり厳しい状況にある」とし、
「それでも地域への燃料の安定供給のためには、なんとかして生き残っていかねばならない。そのためにいろいろと策を講じているが、成果の上がる策もなかなか見い出せず、かなり難しいというのが現状だ」と打ち明ける。

さらに世界遺産に登録されている安芸の宮島。
この島で唯一のSSを運営しているのが森脇石油(PB)である。
島なので観光客は増えてもガソリンの販売量が増えるわけではなく、顧客の中心は限られた地元の住民。

1SSしかない島ではあるが、「車で島外に出掛けた商用車などは安いSSで満タンにして帰るケースも多く、販売量は減少傾向にある。こうしたなか、当社としては観光地であるため得意先の中には人手不足でオイル交換やタイヤ交換などで当社まで持ってくることが難しい顧客も少なくない。そこで相手先まで車を取りに行き、また持って行くといったサービスを行いながら得意先の確保に努めている。ただ、そうした努力を行っていても、1日に100~200リットルの販売量しかないのが実情」と、かなり厳しい状況に置かれていることを打ち明ける。


***



既得権を剥奪せよ!(コメント欄での利休さんとのやり取り)



ビジネスとしてみれば到底やってられないレベルだと思いませんか?
それでも踏ん張っているのは何故かと言えば、やはり燃料油はライフラインだからですよ。

そして過疎地も都会も同じです。
車が相手の商売ですから、安値店があれば消費者の多くはそちらに給油に行く。

過疎地ではないガソリンスタンドも、昔ながらの地場業者は過疎地のガソリンスタンドと同じように供給責任を果たすために踏ん張っています。

個人商店が個人的な力を振り絞って供給網を維持しようと踏ん張っています。
(※私が「頑張っている」ではなく「踏ん張っている」を使うのは、既に皆「頑張ってきた」からです。「努力してきた」からです)


業界の掲示板には業転玉107円とか106円とか出ているらしいです。

系列仕切りとの格差は酷いものです。
そして業転玉を仕入れたところで大手量販店が出す安値看板には敵いません。



国は呼び鈴SSだとか駆けつけ給油だとかの前に、まず真っ先に、仕切り格差の解消にこそ力を注ぐべきです。

それから発券店値付けカードの代行給油手数料。


本日16時34分から18時15分の給油履歴

この給油履歴の中で現金と掛け会員さんは4台5台です。
あとは全て発券店値付けカードです。

これだけ忙しくしていても、数円の代行給油手数料では、設備投資のための内部留保には回せません。
つまり、「いつかは廃業しなければならない日が来る」ということです。


人為的淘汰と言う理由

2015年08月05日 | ガソリンスタンド2

>子会社を増やしたうえで同一商圏内で系列業者と競争させる。
>それに不満を持った業者を容赦なく切り捨てているとの声は多い。

前記事の中のこの部分ですけど、

同じような仕切りか、或は規制緩和以前のように販売価格が同じなら、

それは競争と言ってもいいけど、

仕切(仕入れ値)に1リッター10円以上の差があって、
地場系列業者の仕入れ値よりまだ数円安く売る子会社とのそれは、競争とは言えない。


それは、結果ありきの冷遇です。

※結果とは「ガソリンスタンド2万店計画」であり、「地場零細3者店の駆逐」だと思っています。



「なぜにぃ?」の理由は後半に。



「業転玉の流通経路をたどると同じ元売から出荷された玉がSSに届けられるまでに、大手の商社と燃料商を合わせ計4社経由で卸されていた。同じ出荷元であれば元売から直に受ける仕切価格は中間マージンがないので安いはず。ところが仕切りを比較すると4社も経由している業転の方が8円も安いのはなぜか。元売はこれをどうやって説明するのか」

「元売担当者はわれわれ小規模業者に生き残ってほしいと言いながら、一方で大手には安い玉を流通させている。
結局のところ小規模業者に高く売って利益を上げ、これをスキームの違う大手の調整金に回しているに他ならないだろう」。

(8月4日 燃料油脂新聞「不透明な軽油仕切価格」より)



>結局のところ小規模業者に高く売って利益を上げ、これをスキームの違う大手の調整金に回しているに他ならないだろう

これは、
小規模業者を利用している消費者へ高く売って利益を上げ、これをスキームの違う大手量販セルフを利用する消費者へ安く売るための調整金に回している・・・
こういうことですよね。


元売のやっていることは、消費者に対する侮蔑ではないでしょうか!?