ガソリンスタンド2千店超が閉店…消防法改正で(読売新聞) - goo ニュース
改正消防法でガソリンスタンドが減る。
1.中小の販売店には地下タンクの老朽化対策費用が捻出できない
2.後継者不在
3.店主の高齢化
4.エコカー等低燃費車の台頭と若者の車離れによる販売量の減少
5.熾烈な価格競争
ガソリンスタンドが廃業して減る原因、ガソリンスタンド過疎地や灯油難民が生まれる原因として、報道されるのはこればっかり。
特に今は、改正消防法による地下タンク老朽化対策、この設備投資が出来ない、或いは出来たとしてもその費用を回収できないとして廃業するのだ、という報道。
┐( -"-)┌ヤレヤレ...
1の、費用が捻出できないのは、規制緩和以降安値店に客足が流れたことや元売のカード戦略(発券店値付けカード)で適正マージンが取れなくなり、赤字でも身銭を切りながら営業を続けた結果資金が無くなっていたから。
2.3は真面目にやっていれば利益の出る商売なら子が継ぐし、子が居なければ従業員が跡を継ぎたいと言うでしょう。
4.5は、差別対価や仕切り格差が無ければ、地場の販売店が“負ける”なんて有り得ない。
「安値店の売り値が、地場の販売店の仕入れ値」
全てはここから始まっている。
だから系列でありながら、元売が保証しないと言っている系列外ルートの安い“業転玉”を仕入れる販売店が続出して、それが又業界を混沌とさせた。
平成19年度以降の3年間だけでも、ガソリン等の不当廉売の申告に対し公取委は1354件(21年12月末)もの注意処分を行っている。
これは注意が出た数だから、申告数はもっと多いかも知れない。
不当廉売か否かの判断基準なんて、言ってみたらどうでもいいことなんです。
「自分の店の仕入れと同じ値段で、或いはそれ以下で、競合他社が売っている」
だから公取委に申告する。
この事実が全てを物語っている、と私は思うのですが・・・
昨夜もネットサーフィンしていると、ガソリンスタンドが減ると「不便になる」「困る」と書いてくれていた方(消費者の立場)がいました。
だけど、そう書いているブログのコメント欄に、
「自分の入れているスタンドはセルフより安くて、プリペイドカード購入でBOXティッシュをくれてサービスが良い」
「イイデスね!私も行きたい」
「そういうスタンドは大丈夫ですね」(生き残る)
とあり、何だかナァ・・・と気落ちしました。
何も理解出来ていないし、自分が良ければそれで良いんでしょうね。
地元の住民が出資し合ってガソリンスタンドの営業をすることにしたというニュースを見ていても
「10円高くても、ここへ入れに来る。私たちの店という気持ちがあるから」とおっしゃっていたけど、
撤退された店主さんも恐らく10円くらいの差でおさめようと身銭を切りながら頑張っておられたと思うんですよね・・・
こうちゃんは、「自分らでやってみたら10円高く売らなあかんのが分かったんやろ」と、
だからそれを分かってもらえたことは良かったみたいに言うけど・・・
私はそれでは済ませられないかも・・・・(汗)
因みに、昨年末から店頭にコレ↓貼り出してます。
SS過疎地報道が相次いでいるので地元のお客さんから存続の問い合わせが増えていると業界紙でも記事になっています。
一旦は廃業を決めていたところでも、お客さんから「やめないでくれ」「続けて欲しい」という要望を受けて、急遽法対応して継続することにしたお店もあるようです。
当店も数名の方から聞かれました。
当市は子会社販社大手特約店広域業者など層々たる面々のセルフが8店舗と大手広域のフルが2店舗、1SS経営の個人のフルが当店を含めて5店舗、計15店舗ありますので車のお客さんは、「なんかニュースでやってたけど、地下タンク、大変らしいな」と、あまり危機感はなさそうです。
(※市内で規制緩和以降に閉鎖したガソリンスタンドは9店舗あります)
だけど自転車で携行缶にガソリンを買いに来られる方は、「そんなもん殺生やで。ここが無くなったら困るやないか」と真剣な表情でおっしゃいました。
自転車で灯油を買いに来ていた高齢者を、給油中の車の中から見ていたお客さんも、「これから皆歳を取っていくのに・・・スタンドが無くなったら困るわなぁ・・・」
そして「もっと歳を取って自転車にも乗られへんようになったら、・・・どうするんだ?」とつぶやかれました。
私は「ほんとにねぇ・・・」と頷くしかありませんでした。
実際そういうことはあるのです。
ここまでは空のポリ容器を荷台に積んで来られても、途中で気分が悪くなり、「重たいもん積んでは自転車こいで帰られへん。ついでのときで良いから家まで運んでぇな」と灯油を入れたポリ容器を置いて帰られるのです。
昔のように配達先が沢山あるわけではないので、“ついでのとき”はそうありません。
粗利200円弱で、それだけのために車を走らせざるを得ないのです。
配達代を別に取れば良いのだという意見もあるでしょうが、そういうことが簡単に出来る人間はとうにセルフに改装しているか店を畳んでいると思います。(←これはmasumiさんのことです)
一昨日のテレビニュースで取り上げられていた80歳の店主も、「店を畳む時期も最初は5月にしていたんだけどね・・・」と、最後の最後まで迷っておられたご様子でした。
常連のお客さんのことを考えると、中々止める決断が出来なかったのだと思います。
・・・・・
儲けがなくても構わないのです。
休みも少なくても別にいいのです。
ただ・・・、車はセルフ、灯油はホームセンターと、安値店を選んでお買い物をされる方が、仕方なく携行缶へのガソリン給油のためにフルの3者店を利用して、
その時に見せる、“レシートの単価(高値)に対しての反応”が、こちらの心を折れさせるのです。
誤解されたままで「ぼったくり」扱いされることが耐えられないのです。
仕切り格差のことさえ消費者が知ってくれたら、もうそんな反応をされることはなくなると思います。
私も自分が可愛いから、嫌な思いをしたくないのです。
補助金を頂いて電気防食工事を行ったので、最低8年?7年?間は営業を続けることになります。
儲けもなくていいし、休みも少なくてもいいから、「ぼったくり扱い」だけは勘弁してもらいたい。
もう今となっては、それだけでいいです。
あ。それから補助金は3分の2と報道されていますが、それは今期の話です。
前年度の補助率は3分の1強しかありません。
そこらへんも、きちんと報道してくれないと!!
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初めてご訪問くださった方へ
このブログの現在一番の目的はガソリンスタンド(昔ながらの)が置かれている現状を知ってもらうことです。
ガソリンスタンドカテゴリーの記事を全て読んで頂きたいのですが、あまり一般の方が興味を引く話題でもありませんので、
規制緩和以降のガソリンスタンドが置かれた現状を予備ブログ「masumi_iのブログ」にアップしました。
是非ご一読下さい。