系列SSの業転仕入れ 「同一物流証明がカギ」
全石連が元売商標権で報告書 (全文転載)
全石連はこのほど、系列SSの業転玉仕入れと元売各社の商標権問題への対応策を示唆した報告書「ガソリン流通における商標権問題の論点と対応策」(写真)をまとめた。
元売が商標権を盾に、特約店に対し、系列玉よりも圧倒的に安い業転玉の仕入れをやめさせようとしたり、最終的には特約販売契約の解除を迫るといった高圧的な対応に風穴を開けるのが狙いだ。
系列SSが仕入れている業転玉が、系列玉と同じ製油所や油槽所から出荷されたガソリンであることが証明できる場合には、商標権で業転玉の取扱いを阻止できないことや、特約販売契約を解除される場合には、解除権の濫用に該当する可能性があることを明記した。
元売の新仕切価格体系導入によって、系列玉と業転玉との卸価格差が固定化。
系列SSは、同一市場において、圧倒的な安値で業転を仕入れ、安値販売できるPB-SSや異業種SSよりも、不利な競争条件を強いられている。
過当競争の激化によって、生き残りをかけて、PBなどとの対抗上、業転を仕入れる系列業者が増加。
元売は、商標権を盾に、業転仕入れをやめさせるべく注意や警告を行い、最終的には特約販売契約の解除といった措置を取られるケースもあった。
一方で、元売カードの取扱い中止やPOSシステムの使用不可、さらには社有SSの返還を示唆されるなどの圧力を加えられるケースもある。
全石連では、業転玉仕入れと商標権問題に風穴を開けるため、河本博隆副会長・専務理事を中心に、元公正取引委員会事務総長の上杉秋則氏を座長とする研究会を立ち上げ、独占禁止法や知的財産権分野の専門家らを招き、会合を重ねてきた。
同研究会では、商標権問題に関する過去の判例を調査・研究、精査してきた結果、系列SSが仕入れている業転玉が、系列玉と同じ製油所や油槽所から出荷されたガソリンであることを証明できるか否か(ガソリンの真正性の証明)がポイントになると指摘。
業転玉の真正性が証明できる場合には、
1、元売は商標権を根拠として、業転玉の取扱いを阻止できない(禁反言の原則)
2、それでも取扱いを禁止する行為は、不当な取引妨害に該当し、独禁法に違反
3、業転玉の取扱いを根拠に契約を解除される場合には、解除権の濫用に該当する可能性があるーと結論付けた。
また、元売カードの取扱い中止やPOSシステムの使用不可、社有SSの返却のような措置を講じた場合にも、不当な取引妨害になる可能性を示した。
ガソリンの真正性を証明するため、業転玉の仕入先商社などに対し、元売の出荷基地名の納品書への記入を依頼することや、業転玉について仕入先商社が元売から交付された納品書(元売の出荷基地が明記されたもの)の写しの提供、由来する元売発行の代表性情表の提供を依頼するなどして、業転玉が特定の元売由来であることや、同じ品質のガソリンであることを明らかにしておくことが必要とした。
方向性が間違っている。
これは、今現在、系列でありながら業転玉を仕入れている特約店(販売店)を有利にするために考えられたようなものだ。
これでは、今まで真面目にやってきた販売業者は全く浮かばれない。
これこそ、正直者がバカを見るという証明にしかならない。
組合や全石連のお偉いサン方というのは、聞く所によると昔々の所謂ゴンタ店で、云わば業転玉仕入れの先駆者だったから、こういう発想になるのだろうか?
私には全く以て理解不能。
「風穴を開けるのが目的」という部分にのみ肯定の余地はあるのかも知れないが、
それでも素直に頷くことはできないな。
そもそも、何の為に系列ルートと系列外(業転)ルートという2つのルートがあるのか。
系列玉の流通経路が確かなものであるとして品確法の軽減措置が設けられているのではないのか。
系列仕切りに含まれる元売のブランド料の中には、安定供給保証料は当然のことPOSシステムや元売カードの取扱いに関するコストも含まれているのではないのか。
そういうもの一切合切を含めての商標権ではないのだろうか。
系列外(業転)が安いのはそれらが付加されていないからであって、同じ品質のものだからという理由では道理が通らないと思う。
※4月4日赤字部分追記
ブランド料の意味を考えれば、同じ品質のものだから業転玉を仕入れても良いのだという発想にはならない筈です。
系列と系列外のルートの違いは何ですか?
「同じ品質のものだから」というのならルートも1本で良いわけです。
業転仕入れでも商標権の侵害にならないし何も問題はないのだとしたら、系列ルートの意味がなくなりますよね。
恐らく元売側もそう反論してくるのではないでしょうか?
それに現在業転玉を仕入れている浮気組さんでも、運よく系列マークの製油所や油槽所が近くにあるとか、確実に同系列の系列外(業転)を仕入れられる場合は良いでしょうが、そうではない場合も多いでしょう。
そういう、自分の店とは違う系列の系列外を仕入れている(仕入れるしかない)販売店にとっては、この報告書は何も有難くない訳ですよね。
ということは、この報告書では全く切り札にはならないし、業界全体が良くなる方向へ向う効力も弱く、恐らく今の歪んだ業界の現状はこのまま続くと思われます。
しかも業転玉流出を認めていない元売が証明書を出すとも思えない。
・・・
問題は、9円にも10円にもなる仕切り格差です。
そして、本来ならこれだけの格差がある筈なのに元売販社子会社はPB-SSと同じ安値看板を掲げているという矛盾。
それを不当廉売で公取委に訴えてもお咎めなしの現実。
それゆえ、生き残るために業転に手を出す系列販売店が増えているのです。
だから、解決方法は簡単です。
「ブランド料の引き下げ」と、「業転玉と系列玉との仕切り格差2-3円で固定化」
組合が正式にこれを要求し、政府は元売に対して行政指導を行う。
たったこれだけの事で解決するハナシを、どうしてこんなにややこしくするのでしょうか?