昨日の記事で出てきた「増担保問題」
一般的には「何のこと?」って感じだと思います。
ここを読んで下さっている方の中で、「掛け」でガソリンを購入されている方がどのくらいいらっしゃるのか分かりませんが、
商売をされている方には馴染みがあると思います。
◆掛 取 引◆
商品の売買には、現金ですぐに商品の受け払いする取引のほかに、
いつ支払うという事を約束して、先に商品のみを受け払いする取引もあります。
これを、掛取引といいます。(なじみの店で、つけにしといて!というやつです)
参照
http://www25.tok2.com/home2/masatoru/boki/main10.html
通常、販売店は元売(※)から「掛け」でガソリンを仕入れます。
(※便宜上、ここでの説明は元売とします)
仕入れて、後で支払うお金を「買掛金」と言います。
「買掛金」の支払いは、月単位で、当店の場合ですと末〆の翌月末払いです。
★ひと口メモ★
この「買掛金」は、売った側には「売掛金」となり、両者の間では「買掛金額」=「売掛金額」となります。
元売は、その「売掛金」の2ヶ月分の「担保」を、われわれ販売店に対して求めます。
当店の場合は、店の敷地が根抵当として設定されていますが、販売店の中には、それを現金で元売に預けているところもあります。
(保証金のようなものですね)
ガソリンの仕切りが高くなると、当然「買掛金」の額も大きくなり、「担保不足」という事態が起こります。
※単価100円で月に100キロの仕入れだとすると、買掛金は1000万円
その2か月分で、2000万円の担保です。
その単価が150円になれば・・・
単純計算で、1000万円の担保不足というワケです。
2008年のガソリン高騰時、「担保の増額」を求められた販売店は多かったのではないでしょうか・・・
当店も、長年の信用取引(商取引というのは信用取引だと思うのです)があるにも関わらず、「担保の増額」を要求されました。
こうちゃんが「ガオーっ」と吼えたので、免れましたが(^^;v
元売は販売店からしっかり担保を取りますが、
もしも、われわれ販売店が掛売りのお客様に担保の要求をしたらどうでしょう?
「ふざけるな!!」
と一蹴されるのがオチでは無いでしょうか(^^;
だけど、こんなふざけた慣習が罷り通るのがこの業界なんです(--;
うちのような小さな販売店でも月に100万とか200万になる大口の掛売りの企業さまがあります。
平成の大不況で建築関連企業の倒産が増えた時期、連鎖倒産したガソリンスタンドも多いのです。
また、本来、倒産した企業が支払うべきガソリン税や軽油税といった税金は、ガソリンスタンドが肩代わりするような事になっており、
ガソリンスタンドという業種はまさにハイリスク、ローリターンなのですね・・・
ヤε- (´ー`*) フッ
その点、元売はわれわれ販売店(※)から、しっかりキッチリがっちりと「担保」を取っているので、販売店が倒産しても痛くも痒くも無いワケです。
因みに、
元売販社のGSは、既に全国展開されており、その人口カバー率は60%~70%にもなるらしい・・・
そら、元売はもう
「販売店を守ってやろう」なんて殊勝な考えは持ち合わせていない訳ですね
┐( -"-)┌...
・・・
■根抵当権(ねていとうけん)とは、
一定の範囲内の不特定の債権を極度額の範囲内において担保するために不動産上に設定された担保物権のことである。
(民法第398条の2第1項)これに対し、通常の抵当権(これを根抵当権と対比して普通抵当権と呼ぶことがある。)は特定の債権を被担保債権とする。
根抵当権は特定の債権を担保するものではないため付従性(附従性)がなく、継続的な取引関係にある当事者間に生じる債権を担保することに向いている。
参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E6%8A%B5%E5%BD%93%E6%A8%A9