[1月1日06:30.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 稲生家]
稲生勇太:「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」
初日の出に御題目を唱える稲生。
イリーナ:「昇ったねぇ……」
マリア:「ただの日の出ですよね?」
マリアは大きな欠伸をして言った。
イリーナ:「日本人にとって、初日の出はおめでたいんだよ」
マリア:「師匠は何回目の初日の出ですか?」
イリーナ:「えーと、1000……ま、そんなことどうでもいいじゃないか。少なくとも、日蓮上人よりは年上さね」
勇太:「初日の出も見れたことだし、朝食にしましょうか」
イリーナ:「うん、そうしよう。マリアの人形達が作ったお節料理、早速頂こうじゃないか」
勇太:「お雑煮も作ってましたね」
家の中に入るダンテ一門イリーナ組の面々。
勇太:「マリアさんは料理をしないんですか?」
マリア:「Huh?なに?私の作ったの食べたいの?」
イリーナ:「勇太君、魔道師に料理を作らせてはダメだよ」
勇太:「え?どうしてですか?」
イリーナ:「えーと……昔からそう決まってるんだよ」
マリア:「初めて聞きましたよ、私?」
勇太:「それに、ポーリン組を卒業したキャサリンさんは魔法料理レストランのオーナーシェフじゃないですか」
表向きは創作料理ということになっており、『洋風の薬膳』とか『薬膳洋食』といった口コミで通っている。
イリーナ:「いや、ま、そうなんだけどね。ほら、うちはあくまでオーソドックスな魔法を究める方針だからさ。マリアは最近、サイキック的な魔法を身につけつつあるみたいだから、その力を伸ばすことに専念しなさい」
勇太:「あ、そういえば何だか最近、エスパーみたいなことができるようになったらしいですね。テレポートは前々からでしたが、テレキネシスとかテレパシーとか」
マリア:「それと料理は別だと思います。勇太のリクエストを前向きに検討したいと思います」
イリーナ:「あたしゃ知らないよ」
勇太:「え、先生?」
イリーナ:「さーて、お節料理頂こうかね。稲生ファミリーでは、お雑煮にお餅は入れない方針なんだって?」
勇太:「あ、はい。親戚の中に、その餅で喉を詰まらせて臨終を迎えた者がいまして、それ以来、稲生家ではお雑煮に餅は入れないことが家訓になりまして……」
※作者の実家における実話です。
イリーナ:「なるほど」
勇太:「僕がバリバリの顕正会員の時でした。顕正会本部会館の元旦勤行に行く気満々だったんですが、行く直前に仙台の大叔父さんがそれで亡くなったとの電話がありました」
イリーナ:「なるほど。それで急きょ、仙台支部……だっけ?そっちの方で勤行をしたわけか」
勇太:「仙台会館ですね。でも、違います」
イリーナ:「違う?」
勇太:「『これも魔のしわざだ!』ということで、僕は威吹を連れて無理やり本部会館に行ったんですよ」
稲生宗一郎:「あの時は本気の親子ゲンカでしたよ。勘当させる一歩手前で」
勇太:「これで僕も顕正会で体験発表できると思ったものです。『両親からの大怨嫉で勘当されてこそ一人前の顕正会員』みたいな所がありましたからね」
イリーナ:「あちゃー。で、今のお寺はどうだい?」
勇太:「親孝行も仏法のうちですから、それはタブーですよ。少なくとも勘当されるような信仰姿勢は、却って罪障を積むだけだと御住職様に言われました」
イリーナ:「うん、そうだねぇ」
宗一郎:「先生、それよりお節料理を」
イリーナ:「おや、そうですわね。不肖の弟子の人形が作ったものですけど、味は保証しますわ。どうぞ召し上がれ」
稲生家の面々、お節料理やお雑煮に箸を付ける。
勇太:「美味い!」
宗一郎:「素晴らしい味付けですな!」
佳子:「まるで料亭か旅館で出されたみたいですね」
イリーナ:「お気に召して頂けて良かったですわ」
宗一郎:「そう言えば昔は、年末年始を温泉旅館に泊まって過ごしたことがあったな」
佳子:「あなたの会社の保養所?」
宗一郎:「その手をまた使ってみるか。もちろん、先生方も御一緒に」
イリーナ:「楽しみですわね」
勇太はピッとテレビのスイッチを入れた。
〔「……東京都豊島区××の寺院で、車が境内に突入するという事件がありました。事件があったのは東京都豊島区××にあります日蓮正宗正証寺で……」〕
勇太:「ブッ!」
宗一郎:「勇太のお寺か!?」
〔「……この事件で車に跳ねられるなどした参拝客15名が軽いケガを負いました。尚、この事件の不思議なところは、突入した車が突然謎の爆発によって吹き飛ばされ、境内の外に落ちたということです。参拝客等は軽いケガで済みましたが、この謎の爆発により、突入した犯人達が全員重傷、うち1人は頭を強く打つなどして意識不明の重体です」〕
勇太:「謎の爆発?」
〔「……尚、車に乗っていた犯人達は全員、宗教法人顕正会の信者達と見られますが、警察の事情聴取に対し、黙秘をしているもようです。警察では全員の傷の回復を待って、詳しい取り調べを行う方針です」〕
勇太:「顕正会員か!」
宗一郎:「落ち着きなさい。本人達は黙秘してるんだよ」
勇太:「で、でも……」
イリーナ:「それより勇太君、今日そのお寺に行く予定だったんでしょ?あんなことがあって、初詣は行えるのかしら?」
勇太:「そ、そうだ!すぐに確認して来ます!」
勇太は席を立つと、急いでスマホを手にダイニングの外に出た。
イリーナ:「あー、車を吹き飛ばしたのはエレーナみたいだねぇ……」
イリーナは水晶球を取り出して占っていた。
マリア:「あいつですか」
イリーナ:「鈴木君がコミックマーケットの手伝いの報酬を踏み倒しかかったんで、取り立てに行ってたみたいだね」
マリア:「魔道師と契約して報酬を踏み倒そうとは、フザけた野郎だ!」
イリーナ:「ま、そのおかげでお寺の人達は助かったわけだし、敵対団体関係者にとっては災難だったわけだね」
マリア:「全く」
一応、元旦勤行午前の部は警察の捜査の関係で中止。
午後の部からは何とか開催できるとのことであった。
稲生勇太:「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経……」
初日の出に御題目を唱える稲生。
イリーナ:「昇ったねぇ……」
マリア:「ただの日の出ですよね?」
マリアは大きな欠伸をして言った。
イリーナ:「日本人にとって、初日の出はおめでたいんだよ」
マリア:「師匠は何回目の初日の出ですか?」
イリーナ:「えーと、1000……ま、そんなことどうでもいいじゃないか。少なくとも、日蓮上人よりは年上さね」
勇太:「初日の出も見れたことだし、朝食にしましょうか」
イリーナ:「うん、そうしよう。マリアの人形達が作ったお節料理、早速頂こうじゃないか」
勇太:「お雑煮も作ってましたね」
家の中に入るダンテ一門イリーナ組の面々。
勇太:「マリアさんは料理をしないんですか?」
マリア:「Huh?なに?私の作ったの食べたいの?」
イリーナ:「勇太君、魔道師に料理を作らせてはダメだよ」
勇太:「え?どうしてですか?」
イリーナ:「えーと……昔からそう決まってるんだよ」
マリア:「初めて聞きましたよ、私?」
勇太:「それに、ポーリン組を卒業したキャサリンさんは魔法料理レストランのオーナーシェフじゃないですか」
表向きは創作料理ということになっており、『洋風の薬膳』とか『薬膳洋食』といった口コミで通っている。
イリーナ:「いや、ま、そうなんだけどね。ほら、うちはあくまでオーソドックスな魔法を究める方針だからさ。マリアは最近、サイキック的な魔法を身につけつつあるみたいだから、その力を伸ばすことに専念しなさい」
勇太:「あ、そういえば何だか最近、エスパーみたいなことができるようになったらしいですね。テレポートは前々からでしたが、テレキネシスとかテレパシーとか」
マリア:「それと料理は別だと思います。勇太のリクエストを前向きに検討したいと思います」
イリーナ:「あたしゃ知らないよ」
勇太:「え、先生?」
イリーナ:「さーて、お節料理頂こうかね。稲生ファミリーでは、お雑煮にお餅は入れない方針なんだって?」
勇太:「あ、はい。親戚の中に、その餅で喉を詰まらせて臨終を迎えた者がいまして、それ以来、稲生家ではお雑煮に餅は入れないことが家訓になりまして……」
※作者の実家における実話です。
イリーナ:「なるほど」
勇太:「僕がバリバリの顕正会員の時でした。顕正会本部会館の元旦勤行に行く気満々だったんですが、行く直前に仙台の大叔父さんがそれで亡くなったとの電話がありました」
イリーナ:「なるほど。それで急きょ、仙台支部……だっけ?そっちの方で勤行をしたわけか」
勇太:「仙台会館ですね。でも、違います」
イリーナ:「違う?」
勇太:「『これも魔のしわざだ!』ということで、僕は威吹を連れて無理やり本部会館に行ったんですよ」
稲生宗一郎:「あの時は本気の親子ゲンカでしたよ。勘当させる一歩手前で」
勇太:「これで僕も顕正会で体験発表できると思ったものです。『両親からの大怨嫉で勘当されてこそ一人前の顕正会員』みたいな所がありましたからね」
イリーナ:「あちゃー。で、今のお寺はどうだい?」
勇太:「親孝行も仏法のうちですから、それはタブーですよ。少なくとも勘当されるような信仰姿勢は、却って罪障を積むだけだと御住職様に言われました」
イリーナ:「うん、そうだねぇ」
宗一郎:「先生、それよりお節料理を」
イリーナ:「おや、そうですわね。不肖の弟子の人形が作ったものですけど、味は保証しますわ。どうぞ召し上がれ」
稲生家の面々、お節料理やお雑煮に箸を付ける。
勇太:「美味い!」
宗一郎:「素晴らしい味付けですな!」
佳子:「まるで料亭か旅館で出されたみたいですね」
イリーナ:「お気に召して頂けて良かったですわ」
宗一郎:「そう言えば昔は、年末年始を温泉旅館に泊まって過ごしたことがあったな」
佳子:「あなたの会社の保養所?」
宗一郎:「その手をまた使ってみるか。もちろん、先生方も御一緒に」
イリーナ:「楽しみですわね」
勇太はピッとテレビのスイッチを入れた。
〔「……東京都豊島区××の寺院で、車が境内に突入するという事件がありました。事件があったのは東京都豊島区××にあります日蓮正宗正証寺で……」〕
勇太:「ブッ!」
宗一郎:「勇太のお寺か!?」
〔「……この事件で車に跳ねられるなどした参拝客15名が軽いケガを負いました。尚、この事件の不思議なところは、突入した車が突然謎の爆発によって吹き飛ばされ、境内の外に落ちたということです。参拝客等は軽いケガで済みましたが、この謎の爆発により、突入した犯人達が全員重傷、うち1人は頭を強く打つなどして意識不明の重体です」〕
勇太:「謎の爆発?」
〔「……尚、車に乗っていた犯人達は全員、宗教法人顕正会の信者達と見られますが、警察の事情聴取に対し、黙秘をしているもようです。警察では全員の傷の回復を待って、詳しい取り調べを行う方針です」〕
勇太:「顕正会員か!」
宗一郎:「落ち着きなさい。本人達は黙秘してるんだよ」
勇太:「で、でも……」
イリーナ:「それより勇太君、今日そのお寺に行く予定だったんでしょ?あんなことがあって、初詣は行えるのかしら?」
勇太:「そ、そうだ!すぐに確認して来ます!」
勇太は席を立つと、急いでスマホを手にダイニングの外に出た。
イリーナ:「あー、車を吹き飛ばしたのはエレーナみたいだねぇ……」
イリーナは水晶球を取り出して占っていた。
マリア:「あいつですか」
イリーナ:「鈴木君がコミックマーケットの手伝いの報酬を踏み倒しかかったんで、取り立てに行ってたみたいだね」
マリア:「魔道師と契約して報酬を踏み倒そうとは、フザけた野郎だ!」
イリーナ:「ま、そのおかげでお寺の人達は助かったわけだし、敵対団体関係者にとっては災難だったわけだね」
マリア:「全く」
一応、元旦勤行午前の部は警察の捜査の関係で中止。
午後の部からは何とか開催できるとのことであった。
去年崩壊した鳥居は、なんとまだ甦っていなかった。代わりに台座には門松が立っていた。まあ鳥居の無い神社ってのも逆に新鮮でいいかもしれねえな。顕正もアポ無ししやすいしw
しかしさすが埼玉の名所。七草を過ぎた平日昼だというのに駐車場がいっぱいになるほど参拝者で賑わっていた。が、ヲタは少なかった。アニメのブームが過ぎたのだろうか?さながら盆栽美術館のように、ただジジババの社交場と化していた。まあ神社なんてそんなもんだ。本来の姿に戻っただけのこったw
そして巫女のレベルだが、銀の人的保証で西武に来た内海のように明らかに劣化していた。モデルとかの臨時バイトを雇わなくなったせいだろうか?もしかしてそのせいでヲタが来なくなったのかもしれねえw
鷲宮神社なんて、久しぶりですよ。
確かに巫女さんは萌えポイントですものね。
それが【自主規制致します】となると、【お察しください】。
やはり、日蓮正宗は硬派でいきましょう!
先ほどもですね、顕正会員に対して私が流血の惨をお見舞いし……ゲフンゲフン!